過去ログ - アラサーニートエリちとキャリアウーマン亜里沙
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名無しNIPPER
2018/03/03(土) 06:22:36.92 ID:6MsEYCRx0
仕事帰りのタクシーの中で、亜里沙は両親からの電話を受け取っていました。
「え? 私のアパートに住む? どうして? 一時的に来るだけじゃなかったの?」
「いいじゃないか、もう一度家族3人揃って暮らすというのも」
お父さんは会社を定年退職して、最近は家にこもりがちになっていると言うし
お母さんも子育てを卒業して趣味に没頭し始めていると聞いている。
「あのね、亜里沙は……」
「亜里沙、もうあの不出来な娘の面倒を見るのはやめなさい」
思わず体が強張った。
目つきも厳しくなったのか、隣りにいた仕事先でお世話している子も表情を凍らせる。
……ああ、でも、もしかしたら電話の言葉が聞こえてしまったかな?
「プロデ」
「亜里沙さんでいいわ、もう仕事場じゃないんだし」
「……はい、亜里沙さん。お酒ならお付き合いしますよ」
なんとなくツインテールまでシナシナとしている気がする。
最近ゲームも自重して仕事も好調な彼女を見ながら亜里沙は会話を続けた。
「亜里沙、なぜお前はあの娘に仕事の一つも紹介しなかった、お前にならできたはずだ」
「私は死体蹴りという言葉や、死者に鞭打つという言葉は嫌いです」
「聞けば、家にこもり友人と酒会ばかり開いているそうじゃないか、金食い虫にはそろそろ栄養過多で」
「それ以上言ったら親子の縁を切ります」
「亜里沙、お前ももう大人だ。私が言っている方が正しいと気づいているだろう?」
亜里沙は奥歯を噛んで言葉が出てくるのを我慢した。
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