過去ログ - アラサーニートエリちとキャリアウーマン亜里沙
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573:名無しNIPPER
2018/05/07(月) 20:56:05.72 ID:C6VSQjaK0
 メニューは軽いのに重い朝食が終わると、レッスンが本番になる。
 トレーナーだの、振付師だの、そういう肩書のひとが
 入れ代わり立ち代わり、現れるは現れる。
 いやあ、こんな人に教えてもらえるなんて嬉しいなーって言っていたみんなも一日すると、
 振り付けとかの前に顔を覚えなきゃいけない状況に文句が出た。

 一日中踊ったりなんだり、
 以前流行した、太った人がダイエットする番組を彷彿とさせるレッスン量に
 よもや体重が数キロも落ちてやしないかと思って体重計を探したら
 前日に同じことを考えついたらしいツバサが、曇った笑顔で

「エリー、女の子が痩せる時は胸から痩せるそうよ」

 などと言いつつ、私の脇を通り過ぎていった。
 哀愁が漂う背中だった。

 紆余曲折があったものの、
 アイドルとして活動ができるかもしれないと喜んでいるメンバーを差し置いて、
 私の立場はひたすらに微妙だった。
 
 自分が絢瀬絵里だということはおくびにも知られてはならないし。
 アイドル活動を喜んでいるというわけでもない。
 寮の管理をする仕事だったはずだよな? などと疑問に思えば
 今やっていることがそれの延長線上にあるのかどうか考えたら闇に落ちそう。
 
 私の人生、
 割と巻き込まれるままに時間が流れてしまうことが多いけど、
 今回の件は人生最大級の巻き込まれっぷりである。
 なぜニートだった私がいつまにかにアイドルに混じってレッスンを受けているのかとか
 1日15時間も踊り続けているのかとか、
 センターは澤村さんに決定ね! っていうみんなの笑顔に苦笑しながら
 まあ、そういうのも悪くないかもしれないな、って思い始めた自分とか
 ほんとう、疑問に尽きないことは多いんだけど……。


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