過去ログ - アラサーニートエリちとキャリアウーマン亜里沙
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853:名無しNIPPER[sage]
2018/10/29(月) 16:17:57.44 ID:wESdO2px0
 ただ、時折呼吸がそのまま止まりそうになるとか、心臓が止まりそうになるというのは、
 時間が許す限り見舞いに来ている私と亜里沙さんしか知らない。

 お屋敷に戻る際にいつものぼーっとしていて何も考えてなさそうな表情で、

「西木野総合病院というのはヤブ医者の集まりではないでしょうか?」

 未だ目覚めることのない絵里の状態に対して、
 よほど腹に据えかねることがあるのか、エヴァリーナさんは
 隣に院長の娘がいる状況で暴言をかっ飛ばしてきた。
 苦笑しながらその言葉を聞きつつ、言われてしまった真姫さんは
 病院に努めている医師はレベルが高いわといったきり静かになる。
 最近微妙に空気が読めるようになってきた朱音さんは
 和木さんの脇腹をつついてなんとかしろと言わんばかりだし、
 つつかれている人はアンニュイなお嬢様も可愛いと表情を緩ませている、仕事して欲しい。
 なんとも言えない空気の中、
 お屋敷内の地下に作られた特設のトレーニングルームへ移動する。
 もともとは、娘が演技の道にダダハマりしたことを知った院長が、
 ならばトレーニングする場所が必要だろうと私財をはたいて作ったもので。
 設備が完成して屋敷に顔を見せてくることを彼は願ったそうだけれど、
 実際に娘が利用するまでには数年のときが必要になったのは、なんというべきか。
 ともあれ、日の目を見る機会があって本当に良かったと思う。
 なお、工事にはかなりのお金がかかったそうだけれど、この特設の地下室はふだん、
 無償で俳優志望者や歌手志望の苦学生やお金のない人に提供されていて、
 いつもにこやかに笑っている西木野愛奈さんが裏でどれほど罵詈雑言をかっ飛ばしたのか、
 綺羅ツバサは知る由もない――ということにしておいて欲しい。


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