過去ログ - アラサーニートエリちとキャリアウーマン亜里沙
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884:名無しNIPPER[sage]
2018/11/01(木) 21:13:19.06 ID:f8AG1Ktz0
「もし、オトノキが廃校を防げるのなら――亜里沙が同じ高校に通えるのなら
 ちょっとね、頑張ってみようと思ったの
 別に亜里沙が気に病むようなことではないの、私が自分の理想でしているだけなのよ」

 ワガママなのね、と自嘲しながら言う。
 私たちは何も言えなくなってしまい、困ったように天井を見上げることしか出来なくて。
 でも、何も言わないではいられなかったから。

「お姉ちゃんは辛くないの」
「ふふ、もちろん。同じ学校に通う縁があって、同じ教室で過ごして……
 そういう子からね、嫌われてしまうというのは苦しいものがあるわ
 でも、もし誰かがそういう立場でなければいけないのなら、自分がする
 誰かの不幸を傍目で見るくらいなら自分がって、性分なのかしらね……」

 そんなことをする必要はないって言いたかった。
 でも、そういった所で困らせてしまうだけだって気がついてしまって。
 ヒナは泣きそうな顔をしながらも、そういえばと口を開いた。

「エリーに近付こうとする子がいたのだ?」
「ああ、彼女か……物好きなのね、不思議と離れてくれないのよ。
 早く諦めてくれれば良いのだけれど」

 不愉快そうな態度ではないので、言葉ほど困ってはいないみたい。
 ただ、故あってヒナもお姉ちゃんから離れるにいたり、
 距離を詰めきれなかったちーちゃんもUTXに転校することになり、
 私も意見が言えなくなってしまって。
 希さんがいなかったら、本当にどうなっていたことか――。
 とは思うのだけれど、
 お姉ちゃんは一時期クラシックギターにハマって、
 ついうっかり自分に嫌がらせしていた先輩に声をかけライブを開き、
 反省文を書かされるという不祥事を起こしたことがあるから。
 もしかしたら、本当にもしかしたらではあるんだけれど、
 私が考えるほど不幸ではなかったのかも知れない。


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