過去ログ - アラサーニートエリちとキャリアウーマン亜里沙
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889:名無しNIPPER[sage]
2018/11/02(金) 21:04:40.92 ID:eX+5W8zo0
 過去のことを思い出し、少しだけ恥ずかしい気持ちになりました。
 お姉ちゃんは自分の過去のことを、黒歴史とか、暗黒の時代とか言うけれど、
 誰にだって言えないような過去を持ち合わせていることは確定的に明らかなんです。
 自分だけが羞恥にまみれていると思いこむことは、過去よりも成長しているということでもありますが、
 それと同時に卑しく、目に入れたくないと願う逃避のようなものなんです。
 過去を踏まえて、今自分自身ができる最善の選択を取れるよう――

「あ……り……」

 身体をビクリと跳ねさせてお姉ちゃんをみやります。
 このように苦しげな吐息混じりのうわ言を時々吐くことがあります。
 最初のうちは目を覚ましたのではないかと心を踊ることもありましたが、
 期待をしたら期待をした分だけ、裏切られたときの暗い感情も大きい。
 完全に目を覚ますまでは、喜ばぬよう、嘆かぬよう、心を鋼鉄にして。
 とはいえ、私の名前を呟かれれば多少気持ちも晴れることも――

「……アリさんマークの引越社……」

 ガクっと肩を落としてお姉ちゃんの身体に顔を埋めます。
 何をどういう経緯で呟かれた言葉かは私には分かりかねますが、
 姉の中で特に印象に残る単語だったのでしょう――たぶん。



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