過去ログ - アラサーニートエリちとキャリアウーマン亜里沙
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915:名無しNIPPER
2018/11/05(月) 15:13:55.73 ID:GQesSRIl0
 船の中だと思っていた景色が、聞こえ続けていた声が、次々と吹き飛ばされていき、
 目の前にいるのは小さな女の子。
 暗い――本当に真っ暗な風景の中で膝を抱えた少女に私は見覚えがあった。

「西園寺雪姫ちゃん……?」
「――お久しぶりです、絵里お姉さん。
 こんな私をお見せしたくはなかった……でも、絵里さんが悪いんです」
「仕方ないわ、だって、絢瀬絵里ってそういう人間なんだもの」
「ふふ……これからの道のりは、一般的に地獄と表されるものです。
 ですが、絵里お姉さんなら――もしかしたら」
「乗り越えられる?」
「私が知る限り、乗り越えられた人なんていませんけど――ね?」

 雪姫ちゃんはまっすぐ手を伸ばし。
 私はその手をしっかり掴んで、お互いに笑みを浮かべた。
 もし、これから自分に起こる出来事が閻魔大王だかなんだかよく分からない神の意志だったとしても、
 なんとかなりそうな気がしない?
 ――絢瀬絵里って期待されると裏切るけど、
 期待されないとそれなりの結果は常に生み出していく生き物であるらしいから。


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