過去ログ - アラサーニートエリちとキャリアウーマン亜里沙
1- 20
925:名無しNIPPER[sage]
2018/11/16(金) 20:01:39.32 ID:5zByhSRP0
 さらに雪姫ちゃんとその先を進むと、大きな扉が現れた。
 ケルベロスとか地獄の番犬と呼称されるモンスターとかが、哀れな子羊を待ってそう。
 仮に勇者絢瀬絵里の物語だったら、別に、アレを倒してしまっても構わんのだろう?
 と、大言壮語を言い放ち、3秒でヤムチャになるね、自信がある。
 もしかしたら私が六回殺されてるかもわからない。 
 私はその大きな扉を見上げながら、華美な装飾に包まれたそれを見て、
 その先に待っているであろうものを想像して少し震えた。
 地獄のような、のようなものならば人生において数度体験したことはあるけれど、
 本当に地獄に行くなどとは思ってなかったので、もっと真面目に体験しておけばよかったかも。

「絵里お姉さん……私はサポートすることしかできません
 力添えは出来ませんが、常に味方でいると誓います」
「わかった、こういう時一人じゃないっていうのは大事だから
 もうこんな年齢ですもの、少しくらい努力は重ねておかないとね」

 いかにも余裕と言わんばかりの態度で笑顔を作り、雪姫ちゃんの顔を覗く。
 彼女はそっと目を伏し、辛そうに肩を震わせたけれど。
 私は見なかったふりをすることに決めた、ここ最近は人を泣かせてばっかりな気がするな?
 死にゆく途中でμ'sのみんなの泣き声を聞いた気がしたから、
 ああ、でも、ことりや凛が泣くわけないか、にこあたりも怪しいな……希は……
 穂乃果あたりはお情けで泣いてくれるかも、海未と真姫は結構親しかったから……
 花陽にはコシヒカリを送っておこう、きっと感涙してくれる。
 下手したら自分が死んだときよりも泣いてくれそうだけど、まあ、そういう扱いで良いんじゃない?
 私はまっすぐ前を見て、一つ息を吸い――
 ツバサが私を忘れてるみたいな目を向ける想像をして、
 違うのよ違うのよと言い訳を心の中でしながら歩き出した。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
984Res/926.27 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice