過去ログ - アラサーニートエリちとキャリアウーマン亜里沙
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名無しNIPPER
[sage]
2018/11/16(金) 20:01:39.32 ID:5zByhSRP0
さらに雪姫ちゃんとその先を進むと、大きな扉が現れた。
ケルベロスとか地獄の番犬と呼称されるモンスターとかが、哀れな子羊を待ってそう。
仮に勇者絢瀬絵里の物語だったら、別に、アレを倒してしまっても構わんのだろう?
と、大言壮語を言い放ち、3秒でヤムチャになるね、自信がある。
もしかしたら私が六回殺されてるかもわからない。
私はその大きな扉を見上げながら、華美な装飾に包まれたそれを見て、
その先に待っているであろうものを想像して少し震えた。
地獄のような、のようなものならば人生において数度体験したことはあるけれど、
本当に地獄に行くなどとは思ってなかったので、もっと真面目に体験しておけばよかったかも。
「絵里お姉さん……私はサポートすることしかできません
力添えは出来ませんが、常に味方でいると誓います」
「わかった、こういう時一人じゃないっていうのは大事だから
もうこんな年齢ですもの、少しくらい努力は重ねておかないとね」
いかにも余裕と言わんばかりの態度で笑顔を作り、雪姫ちゃんの顔を覗く。
彼女はそっと目を伏し、辛そうに肩を震わせたけれど。
私は見なかったふりをすることに決めた、ここ最近は人を泣かせてばっかりな気がするな?
死にゆく途中でμ'sのみんなの泣き声を聞いた気がしたから、
ああ、でも、ことりや凛が泣くわけないか、にこあたりも怪しいな……希は……
穂乃果あたりはお情けで泣いてくれるかも、海未と真姫は結構親しかったから……
花陽にはコシヒカリを送っておこう、きっと感涙してくれる。
下手したら自分が死んだときよりも泣いてくれそうだけど、まあ、そういう扱いで良いんじゃない?
私はまっすぐ前を見て、一つ息を吸い――
ツバサが私を忘れてるみたいな目を向ける想像をして、
違うのよ違うのよと言い訳を心の中でしながら歩き出した。
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