過去ログ - アラサーニートエリちとキャリアウーマン亜里沙
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946:名無しNIPPER[saga]
2018/11/18(日) 07:00:23.33 ID:j1GEu/ey0
 懐かしいという感慨すら抱かないほど、その建物のことを印象にすら残したくない。
 目の前に映る建物を見て苦笑交じりの表情を浮かべているのを、
 ユッキが首を傾げながら見上げる。
 この場所で何が行われたかというよりも、
 この場所であの人達が何もしてくれなかったことを思い出すほうが簡単だ。
 思い出したくない事実があると語るよりも、
 思い出に残ったエピソードがなさすぎて、逆に感情が昂ぶって笑みすら浮かぶ。

「この場所は」
「私たちが――いえ、家族関係にあった人たちと
 ロシアから来て初めて日本で暮らしを始めた場所よ
 暮らしというか、同居……なんて呼称すれば良いのかしらね?」

 今までの記憶と違ってスラスラと過去のことを語る私に、
 気の毒であるとか、不憫であるとか、同情であるとか?
 気を引くために話をしたわけではないけれど。
 ああ、憐憫の情を相手に向けられているとした方が正しいのかも知れない。
 小さい女の子からそのように思われて私自身がというよりも、
 きっかけとなっているあの人たちに対してユッキと同じ感情を抱いてしまうのは、
 ふつふつと浮かんでくる自分の想いをどう捉えて良いものか。
 少なくとも明るいモノではないよね、とは思うんだけど。


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