過去ログ - アラサーニートエリちとキャリアウーマン亜里沙
1- 20
961:名無しNIPPER[saga]
2018/11/19(月) 19:44:51.81 ID:0yATqnax0
「ありがとう。あなたがいなければ亜里沙は助からなかったかも知れない」
「ん? いや、まあ、彼女にはお世話になっているし
 サポートするのは当然っていうか、助からなかったって?」
「昔の話よ、昔の、あなたがマンションをよじ登って助けた女の子の話」
「……は? なんであなた私の黒歴史を……」

 あれはやっぱり黒歴史なのか、なんてことを考えながら。
 私たち姉妹の生い立ちであるとか、過去のこととか、
 あっけらかんと言うには重いようなエピソードに至るまで詳らかに。
 最初は訳がわからないという顔をしていたツバサだったけれど、
 やがて記憶の糸が結びついたらしく、頭痛を堪えるようにこめかみを押さえながら口を開いた。

「そう、あの時の女の子が亜里沙さんだったんだ。
 人づてに遠くへ行ったと聞いていたから、すっかり外国に戻ったとばかり」
「私は――なんていうか、上手いこと逃げられたけれど
 亜里沙はそうじゃなかった、この歳になるまでそれに分からないなんて
 姉として最悪ね、いくら詫びても足りないわ」
「……あなたは、なにか闇は抱えていないの?」
「闇って」

 ごまかしたいことがあるのかと思ったけど、ツバサは私の想定以上に真剣な瞳を向けて、
 苦手なものはないかとか、どうしても受け入れられないものはないかと尋ねられた。
 私が問いかけたいことがあったのに、いつの間にか立場が逆転している。

「私は……男性があんまり好みじゃないわ、エリーには言ったことがなかったわね?」
「そういえばそうね、気軽に経験がないとか言い合ってたけど」
「男の人を見ると、昔のガサツで性格の悪かった自分を思い出すのよ、
 横暴で、乱暴で、とにかくまあ……王様みたいな感じ?」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
984Res/926.27 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice