過去ログ - アラサーニートエリちとキャリアウーマン亜里沙
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972:名無しNIPPER[saga]
2018/11/20(火) 20:13:11.21 ID:vEq2T7+r0
 憂鬱そうな表情を浮かべたツバサと、恐らく同じ表情をしている私と、
 顔を突き合わせてお酒を飲んでる――最初からトップスピードでジョッキが空になり、
 次々と運ばれてくるアルコールが、運ばれるのと同時に空けられる。
 水分だってそんなに摂取できないでしょってレベルで酒量はどんどん増加し、
 それでもなお悲しいことに酔うことが出来なかった、飲めば飲むほど気分は憂鬱になっていく。

「……結婚式の会場に、誰を呼ぶかという話になったわ」
「……いいニュースね。いったい誰の結婚式? あんじゅ? ダイヤちゃん?」
「豪勢にしたいって彼女は言うのよ、だから、少しでも彼女の気持ちが折れるよう、
 控えめで、ひっそりと、できればお葬式みたいにやりたいって言ったの」
「ハラショー……今は海に散骨もできるし、いい時代になったわね
 喪服も着なくていいし、海でちょっと豪華にみんなでワイワイ楽しめるわ」
「そうしたら彼女なんて言ったと思う? 恥ずかしがり屋さんなんですからって笑いながら、
 トップアイドルだったんですから、億くらいかけて結婚式をあげましょう
 だいじょうぶです、私が全額出します……
 あなたって、ほんとう発言権がなかったのね、気持ちがよく分かったわ」

 ノリがお通夜であるのに、お酒を飲む速度はハイペース。
 同時に出される料理も次々と空になっていき、酒に付きあえ、3日くらい付きあえ!
 と強引に拉致られてしまい連れてこられたのは、黒澤家の息がかかってる高級居酒屋。
 貸切状態で訪れている私たちは、メニューの端から端までを次々と後先考えず注文し、
 こんなに食べれないのでは? と心配する店員さんを後目に、
 本当に次から次へとお皿を空にしていく、胃袋過重労働中。
 お酒の味も、料理の味もそれほど良くわからない状況下、妹との会話を思い出していた。

「飲みに行く?」

 絢瀬姉妹と綺羅ツバサという妙な組み合わせでマンションにて同居生活を始めてしばらく。
 Re Starsとして再デビューは頓挫したものの「RHYTHMIC STARS」というグループ名で
 小さな斜陽事務所に潜り込むことができた私たちは、着々とその知名度を上げて行った。


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