過去ログ - 照「京ちゃんなんて知らない」京太郎「」
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730: ◆oiHx77pVqQ[saga]
2018/12/11(火) 01:37:37.85 ID:Aaw4sTE60



慌てて移動を開始、彼は幸い追いかけてくる。ここまで予定通り。
彼が何かしら質問してきたのでそれなりに答えながら歩みを進める。先輩として無視するわけにはいかない。
それでも、先輩以上であってはいけない。それが私の結論だった。


私がかつて一方的に棄てたその関係性を、どうか昔のように、だなんて虫のいい話だ。
私をいくらでも責め立ててくれるのであればそれで構わない。でも他の人の目があるところでそんな蛮行を彼に犯させるわけにはいかない。
彼がここに来たその理由に私自身が絡んでいることをどうしても否定できない以上、最低限の責任は取りたかった。私のせいで高校生活を棒に振るようなことがあってはいけない。

もし万が一京ちゃんが私を慕ってきてもーーその可能性を私はなぜか否定することはできなかったーー私は彼を二度とは傷つけないという自信が持てなかった。それでも……ただ先輩としてなら、後輩としての彼との距離を保って見守っていけると、この高校生活を通して私はそんな付き合い方を学んで自分のものにしていた。少なくともそのつもりでいた。

だから滅多に人の来ないここまでどうにか連れて来て、必死に追いかけてきた彼のそれでも柔和な表情になぜか納得して、そこでやっと面と向かって、



『京ちゃんなんて知らない』

突き放した、つもりだった。




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