過去ログ - 傘を忘れた金曜日には -SS速報VIP

過去ログ - 傘を忘れた金曜日には

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488:名無しNIPPER[saga]
2018/08/12(日) 23:27:43.95 ID:zzkpbsGZo

「ちせ」

　と、名前を呼ぶと、部員たちが一斉にこっちを向いた。

489:名無しNIPPER[saga]
2018/08/12(日) 23:28:16.94 ID:zzkpbsGZo

「先代の部長だよ」

　そのとき、ふと思い出す。
　

490:名無しNIPPER[saga]
2018/08/12(日) 23:28:43.97 ID:zzkpbsGZo

「えっと、土曜の話で……あの、行き先の住所が」

　やけに遠回しな言い方をするのは、周囲に気を使ったのか。
　まあ、瀬尾のことを探ろうなんて、こういう状況でもあんまり趣味が良いとは言えない。

以下略

491:名無しNIPPER[saga]
2018/08/12(日) 23:29:12.46 ID:zzkpbsGZo

　ちせが去ったあと、三人の視線が俺に集中する。

「せんぱい」

以下略

492:名無しNIPPER[saga]
2018/08/12(日) 23:29:44.34 ID:zzkpbsGZo

「せんぱい、土曜日、あの子とどこいくの」

「……あー」

以下略

493:名無しNIPPER[saga]
2018/08/12(日) 23:30:13.99 ID:zzkpbsGZo

　廊下に出てすぐ、俺は真中にことの成り行きを説明した。

「さっき来たのはちせって言って、おまえと同じ学年の生徒だ」

以下略

494:名無しNIPPER[saga]
2018/08/12(日) 23:31:04.88 ID:zzkpbsGZo

「せんぱい」

「ん」

以下略

495:名無しNIPPER[saga]
2018/08/12(日) 23:31:32.01 ID:zzkpbsGZo

　この子のことを好きになれたら、たぶん、それでよかったはずなのに。

　風景がまた、二重になる。
　何かを忘れさせまいとするみたいに。

以下略

496:名無しNIPPER[saga]
2018/08/12(日) 23:33:27.61 ID:zzkpbsGZo

「さくら」が、見えた。
　
　彼女は俺と目が合った瞬間、ふわりと体を翻して、なんでもなさそうに去っていく。

以下略

497: ◆1t9LRTPWKRYF[saga]
2018/08/12(日) 23:33:53.51 ID:zzkpbsGZo
つづく

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