過去ログ - アラサーニートエリちとキャリアウーマン亜里沙 2スレめ!
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256:名無しNIPPER[saga]
2018/12/31(月) 14:47:53.33 ID:uR368zZ60
 ことりが背中を預けていた大きなソファーは一昔前に稼ぎのあるアイドルが購入したもので、
 少し前に私が気合を入れて掃除をしたものだ。
 ハンドクリーナーで丁寧にゴミを取り除き、シミや油汚れなどを丁寧に拭き取り、
 あまりの汚れっぷりによく座って利用していたよっちゃんなんかは、これから丁寧に掃除をするので! と言っていたけれど。
 普段から気を使って汚れを取り除いているのは主に私、
 清潔にしているソファがことりのお尻を丁寧に受け止めてくれて、
 きっと彼(もしくは彼女)は「ありがとうございます!」って言ってるはず。
 ニート生活が長かったせいか、掃除や料理に関してはエトワールの中でも右に出る人間がいないくらい優秀で、
 これからは一家に一台絢瀬絵里の時代が来るかも知れないわね、とツバサは訳知り顔で言うけれど、他の面々の家庭に入る才能が少ないというのは考慮しない。
 私が来る前にはモノで溢れていて、とにかく雑多という印象があったリビングも根気よく片付けを
した結果、物が少なくなり清潔に保たれるようになった。
 はじめから大きな家ではあるんだけれども、その分掃除に億劫になってしまうので、
 汚れや物も溜まりやすくはあって、年若い子ばかりが暮らしていると経験もないからそのまま放置されがちだけども、やろうとすればいつでもできるのである。
 さて、いつでも私やいろいろな子の協力によって清潔に保たれているリビングにおいて、
 南ことりと亜里沙が自分の前に集っていた。
 先ほどまでの土下座姿勢はなんとか改めて貰ったものの、謝罪しようと思っていた相手に
 ふくらはぎを丹念にマッサージされてしまったダメージは彼女の中で大きく、
 先ほどまで注意を重ねていた亜里沙や他の面々に合わせる顔がないというのも理解できる。
 例えにツバサばかりを使用して申し訳ないけれど、よほどのことがないかぎり反省した態度を人前で見せない彼女が、
 盛り下がった気分そのままに、まるで悪ふざけが見つかった子どもみたいにしょげた様子を見せるのはかなりのレア機会。
 よほど真理を突いていたか、防御力無視の言葉の刃でも使用したかどちらかだけど、
 おそらく前者なのだと思う、後者だったらいざってときのために教えていただきたいくらい。

「ええと、ことり。
 まずはありがとう、私のために怒ってくれて」

 満面の笑みのことを花の咲くような笑顔と例えるけれど、
 イメージとしてはそのように、少なくとも引きつった笑みなど浮かべないよう重々承知しながら。
 雪姫ちゃんにもいい感じに笑みを浮かべられてます! と褒められているので、
 年齢相応の落ち着いた態度は示していられているように思う。
 ことりも私の言葉に安心した素振りを見せて、
 緊張しきった様子から少しばかり肩から力が抜かれた。
 姉が怒っていないという立場が見受けられた亜里沙も、先ほどからびたっと私の左腕にくっついてしまっているのは変わらないけれど――。

「言うべきことを言えたと思ったけど、私もまだまだ自分に甘かったよ」

 高慢な態度が南ことりの素ではないとは思うけど、
 女王様のような仕草が似合ってしまうのはいったい誰の影響だろう?
 自己主張をしないと外国では受け入れられないと言うし、
 海外での生活で性格を改める必要があったのかも知れない。
 元からこのように気位が高くあらせられたというのは考慮しません、あしからず。


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