過去ログ - アラサーニートエリちとキャリアウーマン亜里沙 2スレめ!
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280:名無しNIPPER[saga]
2019/01/03(木) 19:24:28.27 ID:tzFFkVUi0
「今は孤独でも、いつか必ず報われるでしょう――
 ああ、いえ、今まで問題を見て見ぬふりしてきた報いが私の苦しみなのか――
 因果応報とはよく言ったものですね」



 デビューイベントの打ち上げをするという誘いに応じます。
 スタッフの皆と交流するのはとてもいい機会です。
 視点も改めることができますし、会話が弾めば嫌なことも忘れられる。
 楽しく騒ぐというのは不得手ではありますが、
 社会人にもなって一方的に酒の席で騒ぐということもないでしょう。
 絵里や真姫あたりとお酒を嗜んだりすると羽目を外しがちではありますが、
 あんなことはおそらくないのです、ええ、たぶん、おそらくは。
 しかしながら私の魂胆は見事に空を切り、姫によって強制的に腕を引っ張られ、
 有無も言わさずにタクシーに乗せられました。
 これは園田海未拉致事件であり、アラスカあたりにオーロラを観に連行させられる。
 もしかしたらこれから向かうのは北海道の十勝平野かもしれない――
 車は有無も言わさずに東京の入り組んだ道を進み、
 落ち着いた雰囲気の東京独特と表現できるような下町を通り抜け、
 土地代が私の考えつかぬほど高い一等地を直進し、
 言い得ぬ気分で隣で腕を絡め取っている姫の顔を覗き込んでみると、
 無防備な可愛げのある表情をしてすやすやと寝息を立てていました。
 これでは振りほどいて逃げ出せば罪に問われるのは私になってしまいそう――
 溜め息を一つついて、どこかに向かうタクシーから流れる街の景色を眺め、
 いつの間にかウトウトと。

 このような場所に来た記憶がないと思わず逃げ出してしまいそうなほど、
 古風な料亭へとたどり着きました。
 政治家が接待でも重ねられてそうな大きな和風建築で食事をするには、
 自分自身がどれほど金額を支払えばよいのか想像もできません。
 姫も緊張している様子で私の右腕に抱きつくようにしているので、
 絵里ではありませんが胸を張って後輩の前でみっともない姿など見せないよう。
 いえ、別にバストサイズを過大申告するためにしているのではありません。
 従業員の方が「哀れですね……」と言わんばかりに観ていると被害妄想に包まれそうになりましたが――
 案内されて辿り着いた個室には顔見知りの三人が待ち受けていました。
 思わず目を見開いて彼女たちを眺めてしまい、
 なぜ此処に連れてきたのかと咎めるように姫を睨めつけてしまいました。

「まあ、座りなさいよ海未、あ、くっすんはこっちね」

 矢澤にこ、小泉花陽、星空凛。
 μ'sの一年生トリオと誤解されるにこりんぱなの三人が――
 おそらく私に何事か言おうとしているのを肌で察し、思わず天井を見上げ――
 なぜだか分かりませんがバカが見ると書いてあり、涙を流しそうになりました。


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