過去ログ - アラサーニートエリちとキャリアウーマン亜里沙 2スレめ!
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385:名無しNIPPER[sage saga]
2019/01/27(日) 16:08:36.71 ID:hEUd3Ks10
 おばあさまがロシア料理の店を営んでいて、
 私たち姉妹がお手伝いに駆り出されることもしばしばあった。
 能力がそれほどでもないのに、能力が高いと勘違いしていた私も、
 ”お手伝い”レベルの仕事しか貰えないことに多少の不満はあったし、
 お小遣いに多少のプラスしか貰えないことよりも、
 妹の亜里沙と同じコトをさせられていることのほうが不満だった。
 いまでこそ多少はお姉ちゃんのフリができている自覚はあるけど、
 あの時期の自分というのは亜里沙のことなんて使えない子扱いをしていた。
 ――いや、その数年後にはその亜里沙から使えないヤツ扱いをされるのだから、
 因果応報という言葉が痛切に身にしみるのである。

「構いません。
 今いる従業員の方よりも断然優秀さを発揮してみせます」
「何も教わらずともいいっていう事かい?」
「おばあさまやほかの方の仕事ぶりは――よく見ていますので」

 近い未来μ'sに所属して以降も、その前の薄汚い野良犬みたいに荒れていたころも、
 人を観察して自身の能力に付加するという作業を身に着けたのは、
 このときの経験がひじょうに大きかったんだと思う。
 大口を叩いて困り果てるのはご愛嬌だけども、
 それでもなお、おばあさまの教育が未来に活かされたことは、
 本当に何よりなんだと思う――そろそろ、おばあさまのお墓参りにも行かないといけない。



 自身の散々な仕事ぶりを思い返しつつ、
 私がニート時代に体験したとある出来事を思い出した。
 希には苦労を掛けさせられたとばかり思っていたけれど、
 それどころかむしろ逆に負担しか掛けていなかったことを自覚する。
 ヒナのことで色々悩ませてしまったのもそうであるし
 問題を抱えて凹みきった際にはいつだって助けてくれた親友。
 私自身が希の助けになっているかと問われると、
 え、あ、はい、おそらく、ええ、ちかいうちに機会があれば――
 と、平身低頭、五体投地、それとも土下座で許しを乞うしか――

「海未の家にでも行こうかな」


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