過去ログ - アラサーニートエリちとキャリアウーマン亜里沙 2スレめ!
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名無しNIPPER
[saga]
2018/12/01(土) 12:46:33.19 ID:wduEW69f0
そういえばと朱音ちゃんが何かを思い至り、
私に昔のことは覚えていますかと問いかけてくる。
一部一部にモヤがかかったみたいにどうしても思い出せないエピソードがあるというと、
すごく残念そうな表情をされてしまい、不出来な記憶回路に文句を言いたくなった。
ほら、最近流行じゃない? ノコギリヤシとかイチョウなんたらとか。
「私には友人がいました、友人だった期間はそれほどでもないですが
驚くくらい良い子で、性格が悪い私にも気長に付き合ってくれました。
歌が得意だって気づけたのは彼女のおかげなんです」
名前を聞いてしこたま驚いてしまった。
だけども、その子なら今は私の心の中に居て、
慌てふためいて動揺しきっているとか、やーめーてー! と叫んでいるとか。
朱音ちゃんが恋心を語るみたいに連々と雪姫ちゃんを褒め称えるのを、
心の中で叫び声みたいな悲鳴と一緒に聞きながら、
雪解けをするみたいに何かを思い出しそうになり、首を振った。
あんまりいい思い出はないような気がしたし、過去にはそれほど意味はない。
「雪姫と比べるまでもないですが、
私は彼女みたいになりたい。みんなから好かれるような
そんな素敵な人に」
「私になにかできることはあるかしら?」
「自分に至らない点でがあれば指摘してください、
できれば改善できるものであると嬉しいですが」
舌を出しながら微笑む朱音ちゃん。
明るく前向きな姿になぜだか私は安堵をしてしまって、
どこかで会ったことがある彼女とは違う気がしてならなくて、
そんなこともあるかなと気分を一新した。
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