過去ログ - 【バンドリ】短編 -SS速報VIP

過去ログ - 【バンドリ】短編

↓ 1- 覧 板 20

888:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/22(月) 08:51:28.66 ID:WDd4hgM6O

◆

　香澄は沙綾のことが好きだった。

889:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/22(月) 08:52:16.03 ID:WDd4hgM6O

　その時のことを思い出すだけで、足の竦む思いがする香澄である。あの時は本当に、無謀というかなんというか、どえらい勇気を持っていたものだ……なんて。

　私は女の子。さーやももちろん女の子。それで、一般的に恋とは女の子と男の子がするもの。

以下略

890:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/22(月) 08:52:46.15 ID:WDd4hgM6O

　季節は巡り巡って、夏。香澄の誕生日も過ぎ、学校も夏休みに突入しようかという時期だ。

　香澄と沙綾がそういう関係になってから、冬と春が過ぎた。その間にふたりの間にあったことと言えば、手を繋いで一緒に帰るようになったりだとか、朝は一緒に待ち合わせて学校に行くようになっただとか、お休みの日には一緒に遊びに行ったりだとか、ライブ中に香澄が沙綾の方へ振り返る回数が激増したとか、それくらいのものだ。

以下略

891:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/22(月) 08:53:14.79 ID:WDd4hgM6O

◆

『愛とは』……そのものの価値を認め、強く引きつけられる気持ち。かわいがり、いつくしむ心。いたわりの心。大事なものとして慕う心。

以下略

892:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/22(月) 08:53:43.90 ID:WDd4hgM6O

『愛と恋　違い』……恋とは自分本位のもの、愛とは相手本位のもの。

　続いて検索したワードも、一番上に表示されたものが目に付く。そしてちょっとびっくりした。

以下略

893:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/22(月) 08:54:17.94 ID:WDd4hgM6O

　香澄は焦った。自分から勝手に告白しておいて、それを受け入れてもらえた嬉しさにかまけて、沙綾のことを全然思いやれていなかったのではないか、と。

　大切な想い人のために何かをしたりあげたりするのは全然まったくこれっぽっちも苦じゃない。というか、さーやが幸せそうに笑っててくれるならなんだってするしあげるし、という気概はある。

以下略

894:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/22(月) 08:54:56.55 ID:WDd4hgM6O

「ねえさーや。何かして欲しいこととかない？」

「え？　どうしたの、急に？」

以下略

895:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/22(月) 08:55:23.40 ID:WDd4hgM6O

　けれど、ちょっと違う。香澄が思ってるのとちょっと違う。

　そういうのは友達同士でも叶えられることだ。私がしたいのは、もっとこう、恋人っぽくて、さーやが嬉しさのあまり私を抱きしめてくれるようなことなんだ。

以下略

896:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/22(月) 08:55:51.67 ID:WDd4hgM6O

◆

『恋人　ゴール』……と自室のベッドに寝ころびながら調べて、一番に目についたのはやっぱり結婚という二文字だった。

以下略

897:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/22(月) 08:56:37.68 ID:WDd4hgM6O

　今はそんな、山吹家に嫁いだことなんて考えてる場合じゃないんだ。そんな、朝起きたらさーやが隣にいるだとか、毎日朝ご飯作ってくれるだとか、一緒にパン屋さんを切り盛りするだとか、なんでもない休日に一日中のんびりゆったり過ごすだとか……

「えへへ……しあわせだなぁ……」

以下略

898:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/22(月) 08:57:08.40 ID:WDd4hgM6O

◆

　考えたって分からないことを考え続けていても仕方がないし、とにかく当たって砕けよう。色々とああだこうだと悩み続けた香澄が出した答えはそんなものだった。

以下略

987Res/744.44 KB

↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。

VIPサービス増築中！
携帯うpろだ|隙間うpろだ