過去ログ - 【オリジナル・安価&コンマ】宇宙を駆ける者たちの物語
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101:名無しNIPPER[saga]
2019/01/22(火) 22:22:33.87 ID:dw0sjwyM0
「…へぇ。リヒトさんって大変なんだ。まだ若いのに」

「よくある話ですよ。学が無い以上、就ける仕事は限定される」

「それで高給な仕事に就こうと思ったら、こういった仕事しかないんです」

「でも、危険だよ?少し前だって、宙賊が警備艦隊を撃沈したって…」

「妹のためなら、多少の危ない橋は渡るよ」

でなければ、妹は死んでしまうから。孤独になることだけは、避けたかった。

それから、色々な話をした。

家にいても退屈だから、こうして相席になった人と話をして楽しんでいる、ということ。

友達の父親が、件の戦闘で殉職したこと。

友達が、失踪したこと。

「…今日はありがとうございました。また会ったらお話しよっ」

手提げ鞄を後ろ手に持ち、こちらに顔を向ける少女。名前はアリス、というらしい。

「まぁ…その時まで生きてるかは分からないけど」

からかわれてばかりだったから、ジョークのつもりで言う。しかし、返ってきたのは予想外の言葉だった。

「死んじゃ駄目。妹のためにも、絶対生きて帰って!」

出会ったばかりの赤の他人に、そんな言葉を投げ掛ける。彼女は優しい人だ。

そんな人が馬鹿を見る。それが摂理だと考えたら、虚しくなる。

「…冗談だよ。俺だって、まだ死にたくない」

「…死んだらリヒトさんの妹に言うから。兄貴はバカヤローだって」

「もしそうなったら怒られるだろうな。両親にさ」

ふと空を見上げるとそこには、戦いの光が広がっていた。


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