過去ログ - 【オリジナル・安価&コンマ】宇宙を駆ける者たちの物語
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108:名無しNIPPER[saga]
2019/01/22(火) 23:13:10.87 ID:dw0sjwyM0
「…目的地、今知ったんだけどさ…」

「んー?」

「外宇宙航行用小惑星型宇宙船『ノア』…!?アレ、どっかの恒星まで飛んでただろ!?」

「交易と物資、人材の確保を目的に戻ってきたんだよ〜」

「流石に、冥王星付近までしか来れなかったみたいだけどね」

この戦力で冥王星まで行く?何言ってるんだこのAIは。そもそも燃料が保たないだろうが。

「木星で一回補給する予定…なんだけど。正直オススメは出来ないかなぁ」

「木星のあるコロニーは、PMCが牛耳ってるところがあるの。会社はサーシェス・マーセナルって言うんだけど」

どこかで聞いたことがあるような名前だ。だが、どこで聞いたか思い出せない。

「めんどくさいから色々とぶっちゃけるね。ジュピトリス・マーセナル。あれは月で活動する時の偽名だよ」

「で、中には『社員同士で殺し合って技術を学ぶ』とか『基本の仕事は誘拐と洗脳』とかの噂があるの」

「…ん…?」

もしかして。もしかして、あの時、業務終了時に人数が少なかったのは。

「…そういうことだよ。良かったね、攫われなくて」

「む…無知って怖いな…」

真実を知った途端、滝のように汗が流れてきた。本当に、酷い目に遭わされなくて良かった。

「でも、今回のお仕事はノアと『ノア』が出会うんだよね。何だか運命な気がしない?」

「呑気だなぁ。俺は何が起こるか心配でならないのに」

「気にしていたら、AIなんて務まらないのだ!ほらほら、早く出発しよっ!ねっ」

本当に楽しみにしているのか、制御を乗っ取れば簡単に出来ることを急かしてくる。

こちらとしても、ここで待っているだけじゃ何も始まらないので、ボチボチ出航しようと思っていたが。

『進路クリア。ノア、発進可能です』

管制塔から、出航可能という旨の通信が聞こえる。これ以上もたもたしていられない。

「輸送船ノア、発進します」

艦が加速し、港から離れていく。宇宙を旅する方舟に会いに、同じ名を冠した小舟は進む。

その先に何があるのか。それは誰にも分からない。


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