過去ログ - 【オリジナル・安価&コンマ】宇宙を駆ける者たちの物語
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835:名無しNIPPER[saga]
2019/02/21(木) 01:24:49.05 ID:J1oUrZdh0
「…もし、どうしようもない時が来たら。その時は、今の名前、今の姿。それを全て、未来のために捨てる覚悟はありますか?」

「…要領を得ないわね。リヒトさん、ただのクルーでしょ?」

否定はしない。自分はただの一操舵手に過ぎない。何か、特別なものを持っているわけではない。

だが、特別なものを持つ人とのコネクションを持っている"かもしれない"人物との繋がりならある。非常に気に食わない奴だが。

「伝手はあります。確実にそう出来る、とは保証出来ませんが、可能性はあります」

「…生きるために、今までの自分を殺すために、整形手術を受ける…かぁ。いくら進歩してるとはいえ、怖いわね」

「ですが、何をするにしても覚悟は必要ですよ」

「そうよね…」

覚悟はしていたつもりだった。『ノア』での生活を夢見て、覚悟を持って行動していたはずだった。

今までで覚悟をしたのはその時だけで、それ以外は行き当たりばったりだったのが哀しいことだ。

それは、自分には何も無いことを示しているようにも思えた。

「…ありがと。ちょっと考えさせて」

「…分かりました。また今度、返事を聞かせてください」

「ええ」

部屋を出て、リヒトは自室に戻る。その道すがら、七三眼鏡の忠告を思い出していた。

『犯罪者であること』。それを忘れるな。そう、彼は言っていた。

それが、その前に言っていたジェキットの主張と関係があるとしたら。

「…俺は、悪手を取ってしまったのかもしれないな」

窓から見えるコロニー内の空気が、いつにも増して澱んでいるように見えた。


改装終了まで残り 一週間

↓2 自由安価。


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