389:名無しNIPPER[sage saga]
2019/02/19(火) 23:10:40.22 ID:eTYnncSBo
・ ・ ・
「……」
夢を現実にしたい。
……そう、思っていました。
ですが、現実というものはそう甘くはなく、
ロマンチシズムは一切の容赦無いリアリズムの前で、こんなにも無力なのか。
「……!」
彼女を起こさずに、事後処理を済ますのは……不可能です。
Master+も全裸で逃げ出す程の、高難易度。
夢を叶えるためには最低でも、
――床に出現したアイランドの処理。
――尻を綺麗にする。
「……」
……という二つの作業をこなさなければならない。
それも、彼女を起す事無く、だ。
私にそんな魔法が使えるかと問われれば、答えは否。
そんな魔法が有るのならば、世界はもっと優しく在るだろう。
「……」
何と、声をかけようか。
こうやって躊躇している間にも、他の方がこの部屋に来る恐れがある。
やはりここは、おはようございます、と言えば良いのだろうか?
それとも、早急に問題の解決を促す文言から入れば良いのだろうか?
「ふわあぁ……あ、プロデューサーじゃんか……」
一瞬で、思考の海から現実に引き上げられた。
目を覚ました。
未だ瞼は開ききっていないが、目覚めてしまった。
そして、
「――!?」
目が、見開かれた。
焦点の合っていない大きな瞳が揺れている。
彼女をそうさせたのは、漂う異臭か、尻の心地悪さか。
そのどちらにせよ、事態は動き出した。
「……んー……あと十分位寝かせて〜」
……かに思われたが、彼女は再び瞼を閉じた。
自らの腕を枕とし、反対の腕を顔に被せて。
「あの……待ってください……!」
彼女は、私に言外に願い出たのだ。
……夢を見させてくれ、と。
働いたら負けとは、こういう状況の事を言うのだろうか。
1002Res/489.37 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。