過去ログ - 【オリジナル・安価&コンマ】宇宙を駆ける者たちの物語Part2
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277:名無しNIPPER[saga]
2019/03/15(金) 00:28:25.21 ID:ZByRjN2/0
前スレ>>961に書いてありますが(最初のテンプレに追加するべきだったと反省)、リスポーン権は一部ごとに三回です。
持ち越すことは出来ません。ご了承ください。


「あなたは、今までに罪を犯してきたことを、どう思っていますか?」

ジェキットが言っていたように。『生きるためには仕方のないこと』と思っているのなら、過ちを繰り返しかねない。

だから、知っておく必要がある。彼女は今、どう思っているのかを。間違ったことをしてからでは、遅いから。

「…そんなこと言われても。それ以外に手段が無かったから、そうしただけよ」

「私は女よ。助けてくれる人なんて誰もいない、独りぼっちだったの。そんな私が生きていくには、そうするしかなかった…!」

「…でも、人を傷付けるのだけは駄目だと。そう思ってた。だから、だから…ああいうことをしたの…」

「…では、これから人生をやり直せるとしたら、どうやって生きていくんですか?」

その問いに、カルティエは逡巡した後に答える。

「分からない、としか言えないわ…。私に出来ることは、盗むことと身体を重ねることだけ」

「それしか出来ないなら、そうするしかない。…でも、それで何かが変わることは無い。また、同じことを繰り返すだけ」

「…どうすればいいの?リヒトさん。私は、どうしたら…。普通の人のように生きていけるの…!?」

「………」

リヒトは、カルティエの質疑に答える術を持たない。自分がやっていることが普通ではないことくらい、分かっているから。

運送業は、底辺の人が行き着く終着点のようなもの。悪しき職種――宙賊やマフィアのこと――ではないが、マトモな仕事ではない。

一攫千金を夢見る者、当てのない者、どうしても金が必要な者。それが集う世界。

相応の収入はあるが、それ以上に命の危機が付きまとう仕事。今の今まで生きていることは、奇跡のようなものなのだ。

だから、何も言えない。

一歩間違っていたら、自分も同じ道を歩んでいただろうから。その点で言えば、リヒトは幸運だった。


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