984:名無しNIPPER[sage saga]
2019/07/30(火) 00:04:46.01 ID:IM/mAzJHo
・ ・ ・
「……落ち着かれましたか?」
とても心配そうな声を聞いて、
先程のような失敗は、もう二度と繰り返すまいと心に誓いました。
大きく息を吸って、吐き……呼吸をしっかりと整えます。
そして、慌てることなく、ゆっくりと口を開きます。
「はい……ご心配をおかけしました」
それが功を奏し、普段通りの調子で答えることが出来ました。
本来ならば、何と言う事の無い、簡単なやり取りなのでしょうね。
なのに、あんな失態を演じてしまったのは――
「もう、大丈夫です」
――申し訳なさが、重い枷となって身動きを取れなくしていたからでしょう。
「すぅ……ふぅ……」
だから、今、ここで。
その枷を外し……変わろうと思うのです。
「……オーディションなら、失格だったでしょうね」
嘘から出た真……フィクションをノンフィクションに。
事実は小説より奇なりと言いますが、
これは、私にとって……どんなファンタジーよりも信じられない冒険なのです。
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