過去ログ - 武内P「キスします」
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974:名無しNIPPER[sage saga]
2019/09/24(火) 23:21:45.70 ID:Wz4dUf4to

「ファンの皆の前で、キラキラしてて! 輝いててさぁ!」


 プロデューサーの前で、ブリブリはしません。出しません。
 彼女の言葉を最後まで聞くことに、何の意味があるのだろうか。
 即座の彼女に背を向け、後始末をするために動き出すべきでは?
 ……と、そう考えていたのだが。


「なんだよう! ハッキリ言えば良いじゃんか!」


 彼女から目を離すと、無謀にも意見を求められた。
 言って良いのだろうか?
 自分で仰っている程、彼女のメンタルは弱くは無い。
 むしろ、今は私自身の精神状態を優先するべきだろうか?


「言わなきゃやむ! やむやむやむやむぅっ!」


 ……わかりました。
 例え、強がりでそう言っていたのだとしても。
 強くあろうとする、貴女の気持ちを優先したい、と……そう、思います。
 右手を下ろし、姿勢を正す。



「昨晩は、餃子を食べられましたか?」



 質問をされるとは思っていなかったのか、彼女はポカンと口を開けた。
 一瞬、力が抜けてしまったのだろう。
 プッ、と鳴ったアンコールは、遠慮をする暇もなく部屋に響いた。
 糞を漏らしてしまったという非日常での、日常的な会話。


「あ、うん……一人餃子パーティー……した」


 生活力がまるでなさそうに見えて、料理はするのか。
 この件が片付いたら、他のレパートリーは何があるのか聞いてみよう。
 私は、体が大きいためか……食には関心があります。
 コミュニケーションを重ね、二度目は避けるようにしなければ。


「成る程……それで」


 言うべきでは、無いのかも知れない。
 人気を得るためならば炎上すらも辞さないとは言っても。
 私の、今の理不尽に対する怒りの炎に焼かれては、骨すらも残らないだろう。
 出来るだけマイルドに、声を荒げず……それを意識しなければ。


「何……?」


 心の準備は出来ているようだ。
 普段の困り顔とは違う、覚悟を決めた表情。
 初ステージに向かう前の彼女は、こんな表情をしていた。
 とても……良い、覚悟です。



「……ひどく、臭います」



 プロダクション内の健康診断は、いつだっただろうか。
 今までの不健康な生活が、彼女の腸の働きを狂わせているのかも知れない。
 正確な、医師の診断をうけさせるべきだろう、と。
 ……そう思わせられる程の、悪臭だったのだ。


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