【艦これ】大鳳「衣食住に娯楽の揃った鎮守府」浦風「深海棲艦も居るんじゃ」
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132: ◆UeZ8dRl.OE[saga sage]
2015/09/23(水) 23:06:47.60 ID:MCtZ0jHz0
「司令官、お呼びでしょうか?」

「あぁ、まぁそこに座れ」

「はい」

 帽子の上にクーが居ないのを確認した後、提督は紙を一枚取り出し春雨の前に出す。
 それは艦娘にとって一生に一度の書類であり、一生ここに繋ぎ止める錨でもあった。

「読んで、考えて、分からないところは聞いて、それでもいいなら名前を書け」

「――質問を、させて下さい

「いいぞ、何でも聞け」

「司令官は、春雨にずっと居て欲しいですか?」

「……この前も言われたんだが、どうやら俺は誰が欠けても駄目だそうだ。全員が深海棲艦になって世界が敵になったとしても、俺はお前等の側を離れるつもりはない。その質問にちゃんと答えるなら、“手放す気は微塵もない”、だ」

「また変になりそうになったら、頭を撫でてくれますか?」

「帽子がグシャグシャになるまで撫でてやる」

「春雨、必ず入れても文句言わないですか?」

「不味くない限りは言わん」

「その……村雨姉さんみたいに色気なんて無いけど……いい、ですか?」

「そこについては保留する」

「……」

 春雨の質問はそれで最後であり、視線を書類に下ろして彼女は深呼吸をする。
 そして、ゆっくりと書類に名前を書いた。

「――司令官」

「何だ?」

「ゆ……指……」

(ここで指切りと言ってしこたま殴られたのは確か曙だったな……)

 文字通り痛い記憶を思い出しながら、提督は引き出しから指輪を取り出す。
 それが視界に入ると、春雨は頬を染めながら目を輝かせた。

「書類持ってこっち来い」

 手招きされ、春雨は机にぶつかりそうな勢いで提督の元へと向かう。
 普段は見せないような積極的な態度に、その気持ちの強さがはっきりと彼にも伝わっていた。

「これは、俺とお前を一生繋ぐ。ある意味では結婚指輪より重い指輪だ。それに見合うだけのモノを、春雨、お前にやる」

「……はい」

 そっと、指に填められた絆の証。
 急に恥ずかしさが込み上げて来たのか、春雨は帽子を目深に被り顔を隠そうとする。
 しかし、それは思いもよらぬ相手に妨害されるのだった。




――――サッサトキスデモシタラドウダ?

 ――――お前、帽子の中に居やがったのか……。

――――(いつの間に入ったんだろ……)


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