【艦これ】大鳳「衣食住に娯楽の揃った鎮守府」浦風「深海棲艦も居るんじゃ」
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◆UeZ8dRl.OE
[saga sage]
2015/11/18(水) 01:44:56.77 ID:CvUsdiL00
額に触れる手。想像していたよりも少し男らしく、普通に返すつもりが声が上擦る。
今まで感じたことの無かった気恥ずかしさに距離を取ろうとするも、着なれない服に足を取られた。
「おい、大丈夫か?」
「……」
抱き止める腕の優しさに胸が熱くなり、何も言えないまま提督の顔を見上げる。
誰かがこう言っていた、“気付いた時にはもう手遅れ”と。
(……あぁ、確かに手遅れだ)
そろそろ体勢が辛いと情けない言葉を吐く目の前の男が、私は堪らなく――。
「暫くこのままで居させてくれ、今とても気分が良い」
他の誰かがこうも言っていた、“あの男を困らせるのは楽しい”と。
確かにこれは少し楽しい。
「――提督、この服は、その……」
また、言葉に詰まる。
これは私も知っている、“提督はお世辞を言わない”。
この磯風をここまで臆病にさせるとは、やはり提督はただ者ではない。
夜の散歩は充実した時間だった。
記憶はあやふやだが二人で酒を飲んだ日もとても気分が良かった。
もっと、もっと私は――。
「今頃磯風、うまくやってんのかしら?」
「心配なら執務室に聞き耳たててきたらえぇやん」
「絶対やらないわよ」
規則正しい寝息と、幸せそうな寝顔。
ギュッと服を握って放さないのが愛らしく、そういえば磯風の姉妹艦にはこの癖がある者が多いなと思い至る。
自分に似合う可愛い服とは何か、自分に似合う髪型とは何かを悩み、姉妹や仲間の力を借りて精一杯着飾った彼女は普通の女の子であり、素直に可愛いと思った。
「にしても寝不足で寝落ちとは、この落ち度は不知火のがうつったか?」
頬を軽くつつき、暇を潰す。
時折身をよじるが、起きる気配はない。
「ん……笑って……な?」
「寝言、か」
つつく、つつく、つつく、つつ――突く。
「寝相は……時津風……だ、な……」
その日、磯風は提督の指揮の元で戦い、最後は敵をアッパーで沈める夢を見た。
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