【R-18】由比ヶ浜結衣はレベルが上がりやすい
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296:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage saga]
2015/10/18(日) 18:49:16.35 ID:R/29QPn/o



何時もより時間を短く感じた午後の講義、
終わってから俺の席に近づいてきた牛山の姿を認めると隣に座る由比ヶ浜へ先に帰るよう伝えて立ち上がる。
しかし由比ヶ浜は何時かのように俺の袖を引っ張ると

「待ってるから」

そう微笑んだ。

本当にタイマンを張るわけでもないのに緊張で雁字搦めになっていた心が解されていくのを感じ、
短く礼を告げてから牛山と合流して奴の先導で外へと向かった。

牛山が向かったのは意外なことに(若しくは俺に気を遣ったか)例の墓場が如き中庭だった。
偶然か牛山(リア充)の気配を察知したのか住人は一人もおらず、
夕暮れにもまだ早い時間だというのに寒々しさで震えそうになる。
それが単なる寒気に対する生理現象なのか、脅えて竦む心の有り様だったのか、区別は付かない。

喧嘩、真剣勝負、果たし合い……それらを称して立ち合いと言う。
人気の無い場所で立って向かい合う俺達には相応しい言葉だ。
だが俺は逃げそうになる足を止めておくのに必死、向かう牛山も俯きがちで何時より小さく見えた。

立ち合って数分、沈黙は続いている。
長く長く感じる時間の中、俺達は互いに出だしを掴めていない。
先手で有無を言わさず打ち据えるか、後の先で切って落とすのか、どちらが有利か分からない。
かつての俺ならとにかく出方を待ってから意図的に間違いを選択し、
相討ちによる明確な断絶を以て決着とするだろう。
例え間違いでも、最速最短で間違った選択という場所に居着いて安心することが出来るから。
しかし今の俺の心は逸った。
安心したいのは同じでも、その居場所を選びたいと思っている。
その為にも手加減はしない。出来ない。



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