その剣士、サキュバス憑きにつき。
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219:以下、2015年にかわりまして2016年がお送りします[saga]
2016/01/19(火) 09:53:26.28 ID:/mEdVXjAO


夢魔「少し、歩きましょう?」

剣士「……構わないが」

歩き出した夢魔に、半歩遅れて進む。
彼女はこちらを向かず、静かに遠くを見ていた。


夢魔「ふふっ」

剣士「?」

夢魔「闇夜の逢瀬ってところかしら」

剣士「……さあな」



少し足を早め、横に並ぶと目が合った。
隠す様子もなく彼女は上機嫌で、何も言わず眼を細める。



剣士「この町は、お前にとって大事なところなのか?」

夢魔「ええ。大事というか、私の住んでいるところよ」

剣士「逃げてきた夜、悪魔に拾ってもらった……」

夢魔「そう、その町。そうね、今の私にとって一番大切な場所だわ」





ポツポツとした明かりに導かれ、やがて小さな石橋にたどり着く。
そこだけは街灯も小さく、転落を防ぐためだけの間接光が灯っていた。


夢魔「ここ、何だか分かるかしら」

剣士「川に架かる橋だな。日ごろ息抜きに来ている場所か?」

夢魔「あら、当てられちゃった……んだけど、それは日中の話なの」


夢魔「ねえ、ご主人様。分からないかな」


夢魔の瞳が、次第に赤い光を帯びてゆく。
魔性を伴うものというよりは……どこか、本能的に熱を込めたような瞳。

気付けば、胸板が触れ合うまでの距離にまで近付いていた。



剣士「分かるさ。これは逢瀬なのだろう?」

夢魔「ふふ、本当に分かってる……? じゃあ、答え合わせを、シて」


合わせたのは唇だった。


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