その剣士、サキュバス憑きにつき。
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51:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[saga]
2015/10/19(月) 13:54:14.65 ID:7juZaaSjO

そこまで続けると、夢魔は指を鳴らし周囲の風景を塗り替える。人間のものとそこまで変わらない街明かりが俺たちを照らす。
ベンチに腰掛け、石畳にふわり足を置くと、新しい話を始めた。





夢魔「私を拾った人は純粋な悪魔族で、その割に魔法使いとして生計を立てる変わった悪魔だったわ」

夢魔「私は彼のもとで魔術を学び、人間を蝕むことで同胞として日々の糧を得た」






夢魔「初めのうちは人に対しての恐怖、雄に対しての不信……色々なものを抱えてたけれど、悪魔と過ごすうちに、人間に触れるうちに、皆がそうではないと。皆がそれぞれなのだと当たり前の事を知ったわ」

夢魔「もともと毒が無かったのかしらね、私……。殺人鬼にも、男憎しにもなれたのかもしれないけど、誘惑しない夢魔として窮屈に生きることを決めてしまったわ。親が守ってくれた操ですもの」

夢魔「まあ、それで見下されるのも癪だったから。魔術に留まらず、武から舞から、必死で研鑽したのよ?」

夢魔「おかけで、今もこうしてやっていけてるわ。ふふっ」




夢魔「これで、私の話はおーしまい……付き合ってもらって悪かったわね?」

剣士「いや……」

清々しそうに笑った夢魔の生は、ひどく重いものであった。
ひどく重いものだから、語り終えた顔が軽いのか。



剣士「俺に語って良かったのか」

夢魔「野暮ねえ。人はそれぞれって、言ったでしょう?」

剣士「そうか。そうだな」

夢魔「ついでに言えば、人間なら貴方だけよ。私の秘密……とっておいて」


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