【R-18】女提督「しませんこと?」【艦これ】
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86: ◆KY9IyHJerk[saga]
2016/02/09(火) 07:31:01.92 ID:5z3Cl+Wno

時雨がわたしを強く抱きしめた。


「好きだよ……愛してる……あの時から……」

「あの時……?」

「スリガオ海峡で……山城が沈む姿を見たんだ……闇夜のなかで、炎に身を焼かれながら……沈む君の姿を……。

自分の不幸を嘆きながら……世の中を呪いながら……すべてを受け入れ泰然としながら……。

あれは……とても美しかった……不幸と呪詛の海の女王……一瞬、何もかも忘れて見惚れたよ……。

それからずっと……僕の心は君のものさ……」

「船が沈む姿を美しいなんて……趣味が悪いわ……」


スリガオ海峡……思い出したくもない……。

あそこで沈んでから……ずっと心に雨が降っている……。

あのとき、沈むわたしのそばに時雨がいた……覚えている……ずっと……。

ずっと……ずっと……雨……雨……。

そのとき、わたしは気付いた。

時雨はわたしの心に居たのだ。

わたしの心の中に降る、優しい雨として。

あのときから、ずっと……。

顔が浮かばなかったのは、もう雨として心に居たから……。



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