5:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします[sage]
2016/05/05(木) 09:50:59.68 ID:I3uw+5Ilo
僕は女さんに手を引かれ、彼女のなすがままにベッドへと引き込まれてしまった。
布団の下で彼女が優しく抱きついてくるのを感じる。服ごしでも感じられる体温は熱に浮かされたかのように熱い。
彼女の顔は、こうしているだけでも互いの息がかかるほどに近く、その瞳は何かを強請るかのようにじっと僕を見上げている。
「ふふ、こうして君と寝るのは小学校以来だな」
「そ、そうだね」
突然懐かしい話を振られて少し苦笑してしまう。
「ただ、あの時は君がすぐに寝てしまったから、今のようにゆっくり話すことも叶わなかったのだがね」
「そうだったっけ?」
「そうだ。私は夜更かししようと言っていたのに、君は『お母さんに怒られるから』と言ってさっさと寝てしまったではないか」
「ああ、そんなこともあったね」
「あの頃の君は本当に意気地なしだったからな。いや、それは今も変わらないな」
そう言って悪戯っぽく笑う彼女の何気ない仕草にどきりとする。間近で見る彼女の笑顔はとても美しかった。
そんな動揺を誤魔化すかのように僕は強がってみせる。
「失礼な。僕だってちゃんと成長してるさ」
「ふふ、そうだな。大して勉強ができるわけでもなかった君がここまで辿り着いた努力は私が一番知っているつもりだ」
そう、中学、高校時代の僕は勉強が得意な彼女の志望校に追いつくために必死になって勉強に励んでいた。今思い出すと恥ずかしくなるような話だが、そのおかげで僕はこうして今も彼女とともにいることができているのだ。
「こうして思い返せば、本当に色々なことがあったものだ。
「うん、そうだね。本当に……」
これまでたくさんのことを彼女と一緒に経験してきた。そしてこれからも、たくさん彼女とともに経験を積み重ねてゆく。そうありたいと、心の底から願う。
そのまま僕たちは一夜を語り明かした――
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