魔剣士「やはりフキノトウは最高だ」武闘家「えっ?」
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547: ◆qj/KwVcV5s[saga]
2016/08/31(水) 22:42:56.90 ID:Q5EWaLPro

『ねーえ、何してるの?』

幼い頃のカナリアだ。俺も八歳くらいだろうか。
母さん達が食事をしている店の外に出て、俺は案の定草木を観察している。

そういえば俺、なんでこいつの名前覚えてたんだっけ。
アーさんの名前は覚えてなかったし、ヴィーザルなんて顔すら忘れてたのに。

あいつらの他の兄弟のこともあまり記憶に残っていない。
どうして、カナリアだけ……。

『何か言ってよ〜』

『……喋ったって、どうせ、おまえも俺のこと変だって言うんだろ』

『言わないよ?』

幼い俺は漸くカナリアの顔を直視した。

『植物好きなんでしょ? 将来は植物の学者さんかもね!』

そう言って、あいつはひまわりの花のように笑った。

『エリウス君、あたしの名前わかる?』

『…………』

『カナリアーナよ。みんなカナリアって呼ぶわ。ちゃんと憶えてね!』

そっか、あいつ……俺のこと否定しなかったんだ。



どうして、どうしてあんなことに…………。

俺がまともな人間で、もっと他人の気持ちに敏感だったら、
あいつの気持ちを量ることができていたら、違っていたのだろうか。


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