249: ◆kllX3FdYPo[saga]
2016/09/05(月) 23:17:58.50 ID:/DMrxnkBo
執務室
「兵器は人を殺す、それは分かる?」
いきなりだった。
司令官は艦娘に対して『兵器』という言葉を使ったことは一度もない。
「だから私が大丈夫なように、貴女のうちのどれか一つと関係性を持つっていうことは多分無いと思う」
何も言えなかった。
「天龍には悪いけどそういうことだから、あ、でも天龍が一番ってことに変わりはないから」
「でも一方的にそう言うのも悪いし、私、決めたの」
「これからは慰安婦としても働くから!」
…理解出来なかった。
「うん、当然反発もあるだろうけど、あくまでこの鎮守府内だけだから」
一晩でここまで人は変わるものなのだろうか。
「だから、私を使いたくなったらいつでも言ってね」
…………。
「貴女達と同じ備品だから」
気持ち悪い。
「俺は、俺が貴女の一番であれば、他はどうでもいい」
「貴女が私を忘れなければ、俺は何も言わない」
「うん、大丈夫だよ」
「ならいい、騒がせて悪かったな」
「…心まで捨てるつもりは無いから」
「…安心したよ」
天龍が出ていき、執務室には私と提督の二人だけ。
「…違う」
「何が?」
「提督はそんなこと」
「言うよ?」
はっきりと断言した。
「陸奥のせいにはしない、だけど責任は感じて欲しいな」
何も言えなかった。
執務室を出て、彼女の顔を思い出す。
自身を備品と言い、それでもなお笑みを崩すことのなかった彼女を。
「唯、貴女を愛したかっただけなのにね」
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