げんきいっぱい5年3組 大人編 (オリジナル百合)
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24: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/06/12(日) 16:37:16.22 ID:tj9rC8/EO
長い沈黙の後、

「悪いけど、やっぱり帰るから……」

彼女は自分の上着を拾って、かばんを掴んだ。
そそくさとする上半身と違い、足元は危なっかしい。
落ちていた雑誌を足蹴にしそうになって、避けようとしてよろめいて私の身体を支えに踏みとどまった。

「タクシー呼ぶから、待ちなさい」

「自分で呼べるから、いい」

私の横を通り抜ける。
壁伝いに玄関へ急ぐ彼女の腕を掴み、引き寄せる。

「やめてよ」

この手を離せば、また元の、他人のような関係に戻るような気がした。
別にそれでもかまわないのよ。
今までだって、そうだったのだから。
今、この瞬間でさえ、そうに違いないんだから。
それでも、言えば何か変わるのかしら。

「好き」

聞こえたはずだった。
けれど、彼女は何も言わず靴を履いて、玄関の扉を開けた。
もう一度待ってとは言えなかった。
振り返ることなく、彼女は部屋を出て行った。
彼女のつけていた香水の甘い匂いだけが部屋に残った。


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