花売り「私が勇者!?」 新装版
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23:名無しNIPPER[saga]
2016/07/11(月) 00:15:10.84 ID:AvHUQ5Ul0
夕方


エミリー「ただいまー!」

フランチェスカ「おお。お帰り。どうだったかい?」

エミリー「うーんとね、断ってきたんだけど少しだけ時間くれたよ!」

フランチェスカ「そうかい。そうかい。今夜はもう寝なさい。疲れただろう?お風呂すぐ入れるからね。」

エミリー「うん!」

エミリー(魔王は誰かがやっつけてくれるよね。私じゃない人が!)

エミリー(怖いのは……嫌いだしさ……)

エミリー(それに、私は勇者になんて向いていないよ)

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数十日後


店に客は一人もいない。

今日も閑散としている。

エミリー(今日もお花は綺麗だなーっと)

エミリー「いらっしゃいませー!」

「ああ……エミリーちゃん……この花くれないかな?」

顔に生気のない男の老人が訪れる。この日初の客である。

動きはどことなく震えている様な、そんな気がした。

エミリー「はい!糸水仙とハナミズキですね。2フランになります。……はい、ちょうどですね。ありがとうございましたー!」

エミリー(あれって確か……アニーお兄ちゃんのお父さんだよね……)

エミリー(明るくて時々お菓子くれたり楽しいお話とかしてくれるいいおじさんなのに)

彼の息子が徴兵されてからずっとこの調子である。

エミリー(でも何であんな悲しい顔してたんだろう?嬉しそうにしてたのに)

フランチェスカ「……エミリー。今日はここで終わろうか。」

エミリー「どうして?」

顔を伏せ、裏へと連れて行かれる。

エミリー(意味が分んないや。それにあの糸水仙とハナミズキ……確か花言葉は――)

フランチェスカ「アニーがね……」

エミリー(――思い出と永続性)

フランチェスカ「死んだんだよ……。だから、その、葬式だよ。」

エミリー「……え?」

数十日前に笑顔で去った英雄の訃報であった。



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