40:名無しNIPPER[saga]
2016/07/25(月) 23:28:15.76 ID:llMg/uZ90
第18話 第一の殺人
不意に先頭を歩く勇者の足が止まった。
魔法使い「……こういう過去の実績見ると、安心するな」
代わり映えしない迷宮にうんざりしていた魔法使いは、苦笑交じりにつぶやいた。
目の前には、ランタンの火の消えたエリアが広がっている。 その遠近法の先、闇の向こう側にランタンの光が見えた。
戦士「みんな、考えることは同じなのかもね」
勇者「……、さっさと行くぞ」
いい加減何の変化もない迷宮に嫌気がさしていた勇者は、めんどくさそうに顔を歪めると歩き始めた。
暗闇の中、もはや会話はない。 過去の冒険の思い出話はまだまだたくさんあったが、一日中歩きっぱなしの現状に皆疲れていた。
何の成果も感じられない、非生産的な動きを続けた結果である。
闇が薄まり、明かりのともる通路へ出るちょうど境目。 光と闇が交じり合う境界線から、不意に僧侶の体がはじき出された。
「!!??」
まるで闇から弾かれたように彼女は、ランタンの光灯る通路を転がった。
魔法使い「僧侶!!」
魔法使いは悲鳴にも似た叫び声をあげると、彼女に駆け寄る。
その足が、彼女の詳細を目がとらえた瞬間に止まった。
僧侶、その背中には無数の穴。 その穴の奥から粘度の高い血が肉を押しのけるように漏れ出し続けていた。
魔法使い「……僧……侶?」
絶命した彼女の無残な死にざまを前に、勇者パーティーは何が起こったかもわからずただ呆然と立ち尽くした。
勇者「……ッ!」
ハッと我に返った勇者が、極大の雷撃呪文を暗闇へ向け放つ。
雷光が通路を照らす――雷撃呪文は何もない通路を素道りし、やがて拡散して消えた
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