50:名無しNIPPER[saga]
2016/07/28(木) 22:32:11.58 ID:+UyTwG/g0
第3話 最終決戦
「王! お逃げください! 先ほど最後の防衛線が突破されました」
父の一番の側近が、血相変えて王の間に入ると叫んだ。
「……父さん」
僕は不安気に父を見上げる。
「……ついに破られたか……まったく人間には恐れ入る」
父は苦しそうにそうつぶやいた。
「王! 早く、一刻の猶予もありません、どうやら人間は高速で動く移動兵器を開発したようです。 間もなくこの城にも大量の人間が乗り込んできます」
「素晴らしいな、まさか長い間下等と見下していた人間が、ここまで我々に迫るとは!」
父はゆっくりと王座から立ち上がった。
「いや、高い能力に驕り、発達を放棄した我々の慢心なのかもしれんな」
「おお! 王よ、早く、早く避難してください。 王さえいれば我々は何度でも立ち向かえます」
側近の男は今にも泣きだしそうな顔だ。
「ふん、どこまで逃げたところで結果は同じであろう、それにこれがこの世界の求めた結論なのかもしれん」
父はそう言って僕の頭を撫でる。
「おそらく逃げ切れんよ、だったらここで迎え撃つ」
父の手に黒く煌く巨大な鎌が握られる。
「王! そんな」
「何、勝算が全くないわけではない、それに……ここで押し返せないようなら、この先もあるまい」
父は――魔王はそう言って僕に微笑みかけると、王の間を出て行った。
聞いたこともない音が、遠くから近づいてくる。
僕は側近の手を振り切って城のバルコニーへ走り出した。
見たこともない金属の乗り物に乗った大群が、彼方に見える。
一目見て分かった。 僕は身震いする。
ほとんど同じ容姿であるにも関わらず、
初めて見たにも関わらず、
頭が、心が、その不気味さを知っていた。
心の底から違う生物であると訴えかけてくるのだ。
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