星輝子「ロックお礼参り」
1- 20
1: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2016/09/04(日) 00:31:39.21 ID:+97iSg7EO
 
ライブの始まる直前、舞台袖に立ってあわただしく動くスタッフを眺める。音響、照明、マイクに楽器。ぎりぎりのギリギリまで確認している。リハーサルだってもう何回もやったのに。会場をちらりと覗くとまだ何もしていないのに何百何千とペンライトが真っ赤に輝いている。まったく、トモダチはいつもせっかちだ。嬉しいけど、その、せ、急かされているみたいで、き、緊張しちゃうな…… 楽しみにしてくれているトモダチみんなに応えてあげなくちゃな。

 なに、もう準備はいいかって?フヒ、いつでも、いけるぞ……まだ時間はあるけどね……
ここ、暑いだろう、親友?最初に会ったときから思ってたけど、そんなにカッチリとスーツ着てて息苦しくないのか……?

 最初、最初かぁ。わ、私みたいのを、よくアイドルにしようと思ったよな……こんな、ジメジメした日陰者を……アイドルらしさどころか、一般人がふだん出してるレベルのオーラも無かった、と思う…
 なのに、そのまんまの私を宣材写真にしちゃって…… え?最初はキノコと可愛さで売ろうとしてた……?き、聞いてないぞ、それ……!じゃ、じゃあ、もしかして、わ、私がキュート路線で行く可能性もあったのか……?む、無理無理……!さ、さすがに今でも、そういうの似合わないと思うし…… 初めてのライブよりもすべるぞ……



2: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2016/09/04(日) 00:33:24.91 ID:+97iSg7EO
 
ちょ、ちょうどメタル路線で行こう!って決めたあとのライブだったろ……?しかもデビューだから、新人アイドル集めた小っちゃいライブの、そのまた前座に出たときのヤツだ…… アイドルを見に来たのに、ゴリゴリのメタルやったら、そりゃみんな乗る乗らない以前にビックリする、よな…… で、でも私は、あの、ヒャッハーなライブが、親友と話し合って決めた、やりたいライブが出来て、最高に気持ちよかったぞ?



3: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2016/09/04(日) 00:34:18.21 ID:+97iSg7EO

 あ、あの後、調べるなって言われたけど、気になってネットの掲示板見ちゃったんだ……
フヒ、初耳だろ、そうだろう?い、言ってなかったもんな……おあいこだ……
 ね、ネットの評価って、厳しいんだな……あのとき出てた新人アイドル、みんな悪口言われててな……その中でも私は、ひどかったぞ…… 
 「アイドルらしくない」 「こいつみたいな変な路線アイドルが売れるか」 「事務所は何を考えてんだ」
以下略 AAS



4: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2016/09/04(日) 00:35:43.00 ID:+97iSg7EO
 
悲しいとかつらいとかもたぶんあったんだけど、一番おっきい理由は「悔しさ」だ。わ、私自身が文句言われてるのよりも、メタルと、アイドルとしての路線と、事務所の人が悪く言われてるほうが多くて……
本当に、本当に悔しかった。わ、私と、親友が、「これが良い!」って、決めて、胸張って見せたものがほとんど拒絶されてた……!良いとか、悪いとか以前に、ちゃんと見ようとしないで「これはない」って一蹴されるばっかりだった……!トレーナーさんにレッスンしてもらって、必死に汗だくになってれ、練習して、ライブのために親友はあっちこっちに頭下げたのに…… ろくに見てもらえてすらなかった!
今思い返しても悔しいし、腹が立つぜぇ……!リア充を見たときとは違う、もっとでっかい怒りが、あのときから渦巻いてるんだ……!


5: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2016/09/04(日) 00:37:12.02 ID:+97iSg7EO

で、でもな……バカにされっぱなしってわけじゃなかったぞ…… ちょっとだけ、本当にちょっとだけなんだけど…… 「よかった」って声もあったんだ…… その人も叩かれたんだけど…… ネットの中とはいえ、私を叩く空気に逆らって、『届いたぞ!』って、声を上げてくれたんだ……!応えなくちゃあウソだよな……!こ、こんな、日陰者で、キモイ私でも……え?そんなことないって?あ、ありがと…… って、話の途中だぞ……


6: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2016/09/04(日) 00:38:09.02 ID:+97iSg7EO
えっと、キャラじゃないってわかってるけど、あのときから本当に、なんていうのかな……茜ちゃんみたいな…… そう、燃えたんだ。

 私のメタルを聴きに来てくれるトモダチに応えるためにレッスンも頑張った…… ボーカルレッスンだけじゃなくて、演技もダンスも…… ま、まだちょっと、ビジュアルレッスンは苦手だけどな…… 相手をエリンギとか、シイタケに見立ててなんとか…… うん、レッスン、頑張ったんだぞ、親友……!あんな恰好とライブのテンションだけど……あ、アイドル、だからな……!う、うわ、頭ガシガシしないでくれ…!フヒー……!


7: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2016/09/04(日) 00:38:40.20 ID:+97iSg7EO

 ……ん、何?緊張してると思って持ってきたものがある?……いや、見せてくれ……親友が持ってきてくれたものだ……きっと力になるはず…… 

 こ、これ、ファンレター……?は、箱で持ってきたのか!?すごい量だな……ぜ、全部私宛だ…… フ、フヒ、フヒヒヒヒッ……!へ、変な声出ちゃうな…… うん、会場いっぱいの人とファンレターの山見れば、怖いものなしだ……!あそこにもしかしたら、誰かとトモダチになりたいボッチとか、周りから浮いてる変なヤツとかいるかもしれない…… わ、私には、よくわかる……そ、そういうヤツだからな…… だ、だけど、声を出して、知らせてやるんだ……!仲間が、トモダチが、繋ぐ糸が呼んでいるってなァ!



8: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2016/09/04(日) 00:39:12.32 ID:+97iSg7EO
 プロデューサー、これだけファンレターがあるってことは、変な手紙も混ざってなかった……? そ、それもちょっと見せてくれないかな…… だ、大丈夫……見るだけ、見るだけ……ね?
こ、これか……まぁ、予想してたくらいの数かな……ああ、やっぱり、認められないとか、嫌われてるのを突きつけられると、悔しいな…… あのときの怒りが湧きたってくるんだ……!いいシャウトが出来そうだ……!メタルにこういう感情は付き物だからな……!


9: ◆nIlbTpWdJI[saga]
2016/09/04(日) 00:40:05.26 ID:+97iSg7EO



だ、だからこそ、やってやる……!

以下略 AAS



28Res/9.55 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice