277: ◆GXVkKXrpNcpr[saga]
2017/02/07(火) 08:57:23.77 ID:5orYg2PVo
ひとりでソファーに横になっていた杏子が嫌な汗にまみれて目を覚ました。
(夢だった)
安堵感がこみ上げ、長い溜息を吐いた。
部屋の電気は点けっ放しで時間がわからない。妙に重く感じる頭を持ち上げて壁の時計を見ると、とっくに日付が変わっていた。
身体を起こして深く座り直し、組んだ両手に軽く額を乗せた。
(見て、ちゃんと確認しないと)
マミが部屋の居るべき場所にいるのかどうかを知るのが怖い。なんの意味もないただの夢だったと思いたい。
目を閉じて深呼吸をした。
そして。
「佐倉さん」
「────っ!」
近い距離で背後から名前を呼ばれ全身が激しく震えた。振り返って怒鳴った。
「う、後ろからいきなり声かけんな!」
「再会第一声がそれなの?」
杏子はソファーの背もたれ越しに笑顔のマミにとびついた。膝立ちの体勢で相手の両腕ごと抱え込む。捕獲のニュアンスも垣間見える抱擁だった。
「え、ちょ、ちょっと、珍しいわね?」
「みんなどんだけ心配したと思ってんだ!!」
「まあ……ありがとう」
「うっさい!」
疑念はひとまず脇に置いてマミを実感した。
「……もしかしたら、あんたにはもう会えないかもって思ってたっ」
「ごめんなさいね。──でも話は後」
その真剣な声音に促されて身体を離す。
「どうした」
「さっそくだけどお願いがあるの」
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