9: ◆/BueNLs5lw[saga]
2016/12/13(火) 21:30:46.74 ID:JZ42mPM/O
「絵さん、この間美術の先生が怒ってたけど知ってる?」
「あ、はあ」
「白紙で出したって聞いたけど」
「あー、はい」
「なんでかな」
と、諭すように問う。
私は、先生の間ではちょっとした問題児であった。
なぜなら、先生の大半は女性で年上。
その辺の背景のように見えている時もあるけど、授業などで存在を意識してしまったらもう大変。脂汗が出る始末。
誰に相談することもできず、とにかくこいつはひねくれているのだと大体の先生が出した結論はそれだ。
「先生の顔、あんまり上手く描けなくて。名前負けって言うか。私、絵心ないんですよね」
年上が苦手うんぬんは置いといても、私は絵を描くことは苦手だった。
「完璧にしようとしなくていいのよ? 可愛く描けなくても、可愛く描くことが目的じゃないんだから」
渚先生が励ましのつもりで私の手を握る。
やだッ―――。
思わず、手を払いのける。
「絵さんッ?」
先生も驚いて、目を丸くした。
ごめんなさい。
悪気は無いのです。
「ごめんなさいッ」
私は後ずさりして、渚先生を置いて学校へ向かった。
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