3:名無しNIPPER
2016/12/23(金) 17:09:20.07 ID:lsZj+NMQ0
ようやく家に辿りついてなんとか三船さんをベッドに寝かせ、布団をかける。
思った以上に疲れた。というか精神がすり減った。下手したらスキャンダルものだ。
自分の頭の悪さに頭を抱える。いくら酔っていたとはいえどういうプロセスを経たら、こんな状況になるのだろうか。今以上にタイムマシンが欲しくなったこともない。
顔を赤くして、無防備に俺のベッドに寝ている姿をみて何も思わないわけではない。なんとなく頭を撫でた。こういう行為が頭の悪さの現れな気がする。なにをやっているのだと自問自答。
……自分自身も酔っているのを自覚している。行ってる行為の一つ一つが間違っている気がしてならない。なにかこれ以上変な行動を起こす前にとにかく早く寝たい。
煩悩を振り切り部屋を出ようとしたところで一瞬動きが止まる。袖を引っ張られていることに気づいた。
「……三船さん、起きちゃいました?」
「えぇ……ここ、は……?」
三船さんが体を起こす。酒のせいか頬は赤く、軽く息も上がっていて、俺が雑に運んだせいだろう、服が乱れていて目のやり場に困った。
なんと言うべきか……ホテルというのはまずいだろう。
嘘をついてもしょうがない、後々の事も考えて正直に言う事にした。
「あー……僕の家です。三船さん酔いつぶれちゃって……ほかの人にも頼れなかったので、しょうがなく」
言い訳ぽくなっていないだろうか。
いや、事実言った通りではあるのだが、客観的に見れば酔っぱらったのにあかせて部屋に連れ込んでいるので、糾弾されたらなにも言い返せない。
「え……? あ、す、すみません。私ったら、そんな」
「お構いなく。明日は僕も休みで三船さんもオフなので、案内してくれれば家まで送りますよ」
「ごめんなさい、なにから……なにまで。……じゃあ、このベッドも?」
「え、あー、僕のです。嫌かも知れませんが、風邪を引かれても困りますし……」
それを聞いた三船さんの頬がさらに赤くなった気がする。
いけない。酔っているせいか、浮かれている。都合のいい解釈をしている気がする。
「嫌なんてことは……ないです。むしろ……」
「むしろ?」
むしろ?
「えっと……、いえ、なんでもないです」
「あ……はい」
なんと言うつもりだったのだろうか? むしろ、嬉しいです。とか?
等と考えて、心中で否定しないのは酔いのせいしたくなる。ここまで築いてきた関係を崩してはたまらない。バカな考えも一晩寝れば治る、早く寝てしまおう。
「……じゃあ、僕はリビングの方行きますんで、おやすみなさい」
「え? リビングって……Pさん、どこで寝るつもりですか?」
「まあ、ソファですかね……会社で慣れてますし。僕がいるのが不安なら、ネカフェかなにか探しますが……」
「嫌なんてことは……、私がベッドで寝ているのにそんな」
「とにかく、心配しなくて大丈夫ですから」
「いえ、それなら……一緒、とか、でも……」
言いながら、どんどん顔が赤くなっている。
三船さんの突拍子のない発言には毎回どきりとさせられる。
一瞬、勢いで「是非!!」と叫びそうになるのをぐっとこらえ、
「ばっ、あのですね、三船さん。そういう風に言ってると勘違いを……!?」
腕を引っ張られる。近くに三船さんの赤い顔。
酒か、この状況のせいなのか。頬が赤く染まっているのがわかる。軽く息が当たってくすぐったい。
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