明日を追い越して
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6:名無しNIPPER[saga]
2016/12/28(水) 03:22:57.65 ID:nd815OF9O



とりあえずさっきまで座っていた座席に腰かけると、連れ込むようにして引き込んだ女性も横に座った。
ボリュームのあるマフラーで、口元が少し隠れている。



男「平気ですか?」

女「はい……すいません」

男「これ……この電車、乗るつもりで合ってましたよね」

女「……はい。」



ガタンゴトン……ガタンゴトン……



動き出した電車にふたり。
定員何十人の車両で隣り合わせ。


女「助かりました」

身体を少し斜めにすると、女性もようやくこちらを向いてそう言った。
こちらに向けて笑おうとしたのだろうが、緊張がいまだ収まっていないようで変な顔になっている。
不器用そうな女性だった。

男「いえ……寝てましたか」

女「はい。終電、逃すところでした」

男「終電じゃなかったら俺も助けてませんでしたよ。はは」

女「あ……ごめんなさい」

男「あ、いや、嫌々したわけじゃないです、その。すいません」

人の事を言えない。ぎこちない。



女「今日は遅くて、疲れてて……それで、つい」

弁明するように、申し訳なさそうに言う。
そんな眉毛して欲しくない。

男「忘年会ですか?」

女「え。……は、はい。そうです」

なんで分かるの?という顔。
いやいや仕事納めの時期じゃないか。

男「俺もだからですよ。2軒目の帰りです」

女「あ……」

彼女のほほが緩む。



女「あなたも、ですか?」



ようやく、同類と認めたような安堵を見せてくれた。
遅いよ。もう。


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