475: ◆1UOAiS.xYWtC[sagesaga]
2017/02/19(日) 02:40:18.47 ID:ZFHfpqU9o
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隣女王の小さな唇は接吻の最中にも細かな震えが止まらない。
緊張か、歓喜か、その両方なのか――――蠢きはしても、ぎこちなさが勝る。
嫌がる素振りはなくとも、彼女は赤らめた顔をわずかに動かし、ぴったりと覆われた唇の端から、少しでも酸素を取り込もうと試みていた。
やがて、口づけの波は一時治まり、至近で隣女王に覆いかぶさり向き合う姿に戻る。
頭の上まで持ち上げられ、鎖でくくられた二の腕に汗が一筋流れる。
甘酸っぱさの混じる香りが露わに広げられた脇から立ち上り、鼻腔をくすぐる。
サキュバスBのものに似てはいても、花のニュアンスが強い。
もし人界の男がこれを嗅げば彼女を貪る、獣と化し―――――やがては、貪られる草と化す。
隣国のサキュバスの放つ媚香は、獲物を罠に嵌めるための誘惑。
一時たりとも、油断はできない。
罠に落ちれば、食い殺される。
隣女王「あの……陛下……触れて、くださらないのですか……?」
眉を寄せ、困り顔を作って彼女は懇願する。
罠と知っても、尚――――応えねばならない。
彼女は今夜、決心とともにこうしているのだから。
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