141: ◆x.53aZIM6g[ saga]
2017/03/04(土) 10:09:35.41 ID:lVaEIQQHO
「お前らいい加減にしろーーーーっ!」
勇気が怒号を上げた。皆、黙った。
ズボンを拾い上げてくれた勇気に促されるままに、ぼくはみんなの見ている前で、片足を上げてズボンを穿いた。
この上なく情けない姿だと思った。
もう、誰の顔も見られなかった。
「ふみたまえ」
ズボンが脱げる前にぶつかった人が、意味の解らないことを言っている。ぼくをからかっているんだろうか。
知らない。もうどうでもいい。帰る。
もう、二度とサッカー部には来ない。学校にもきたくない……。
−−−−−−
緑谷君の姿を見て、私はどうしていいかわからなかった。
女の子が大勢いる前で、異性が大勢いる前で、あれは。
私だけなら、まだいい。黙っていてあげればいいことだから。
あの日の惨めな……あの日の屈辱がよみがえる。
もう、思い出したくもないあの過去。
もう、誰も知らないはずのあの過去。
もう、思い出さなくていい筈の過去。
もう、誰にも知られる事のない過去。
最後に、そこ安価先なんだが……という、あの日に聞いたあの人の一言が思い返された。
ごめん、緑谷君。あなたがいなくなるまで、私はなにも動けなかった。
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