211: ◆y7//w4A.QY[sage]
2017/06/20(火) 15:42:52.98 ID:58jg2/Et0
【第三新東京市 市街地】
シンジ「――あ、あれは、エヴァ? 弐号機は? アスカは?」
カヲル「待っていたよ、シンジくん」
シンジ「その声は……この感じ、カヲルくんなの?」
カヲル「体調が悪いだろうに、他人の心配かい? 今一度問おう。キミはなんの為にエヴァに乗るの?」
シンジ「アスカッ! どこにいるんだ!」
カヲル「ボクの質問に答えた方がいい。この手の中にあるのが見えないのかい?」
シンジ「それは、エントリープラグ? まさか……」
カヲル「そう。この入れ物には「中身」がある。なにが入っていると思う? シンジくん、僕はもっとキミと話がしたいだけなんだ」
シンジ「アスカがその中に⁉︎」ググッ
パキーン
シンジ「くっ、ATフィールド……!」
カヲル「そう、君たちリリンはそう呼んでるね。なんぴとにも侵されざる聖なる領域、心の光。シンジくんの父親にも聞いたけど、キミもわかっているんだろ? ATフィールドは誰もが持っている心の壁だということを」
シンジ「そんなの分からないよ、カヲル君! アスカを、返せっ!」ギギギッ
カヲル「アダム……われらの母たる存在……アダムより生まれしものはアダムに還らねばならない。人を滅ぼしてまで……そう思っていた。だけど、アダムはシンジくんとともに在る」
シンジ「うぐぐっ!」
カヲル「……まだ、答えを聞いていない」
シンジ「カヲルくん……どうして……カヲルくん! キミがなにをいってるのか、わからないよ!」
カヲル「単純な話だよ。キミがなんの為に、エヴァに乗るのか」
シンジ「僕は、守れる人がいるなら守りたい! それだけだ!」
カヲル「結果、自分を犠牲にしてまで?」
シンジ「僕はどうなったっていい! ワガママでもいい! 助けられなかったからきっと後悔してしまうから、だから、僕は逃げない!」
カヲル「……そうか。じゃぁ、ボクを殺してくれ」
シンジ「な、なんでそうなるんだよ」
カヲル「ボクが生き続けるのがボクの運命だからだよ。シンジくんの守りたい人達を犠牲にしてでもね」
シンジ「もうそんなこと言わないって言ったじゃないか!」
カヲル「ごめんね、シンジくん。だけど、ボクは死ななくちゃいけない。これは変えられない既定路線なんだ。キミが罪悪感を抱くことはない……。ボクにとって自らの死、それが唯一の絶対的自由なんだよ」
シンジ「……また、なんだね」
カヲル「立ち直りかけたところに辛い選択をさせてしまうね、さぁ、僕かそれとも弐号機パイロットか、シンジくんが選んで決めてくれ。滅びの時を免れ、未来を与えられる生命体は一つしか選ばれないんだ」
シンジ「……」
カヲル「三号機とのシンクロを限界にまで高めてあげるよ。首を締めれば、ボクの首も締まる」
シンジ「……」チラ
カヲル「エントリープラグを握りつぶすのは、一瞬だよ。……わかるね?」
シンジ「ぐ、ぐすっ……」ポロポロ
カヲル「僕を、シンジくんの手で、解放してくれ。」
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