108:名無しNIPPER[saga]
2017/07/07(金) 22:05:54.18 ID:8mU1puuW0
渚、陸と海の境界線
波打ち際を満ち潮の刻がまた一つと近づく度にそれは白い砂の絨毯へと
乗り上げて、波の花を浜辺で座り込む者達によく見える様に近づけていく
波の花、…あの波打ち際にできるあの泡の事だ
海水に含まれるミネラルやプランクトンの死骸が泡の成分となっていると
真姫がいつだったか学んだことがあった
微生物の死骸と聴くと美しいモノとなんだか綺麗なモノだと
思っていた物が途端に綺麗じゃないように感じてしまう
学ぶことの弊害だ、世の中知らないで居れば幸せなこともある
無知ゆえの知、…はたして知らぬが仏の幸福となりや、か?
背もたれから上半身を起こし、西木野真姫は風に持って行かれそうな
麦わら帽子に手を乗せた、穏やか一時を過ごす彼女は泡沫を眺めるのも
程々にと、次の【BiBi】での新曲を書いたノートを開こうと手を伸ばす
夏をイメージした楽曲、溌剌とした
命が最も輝く時期
樹々にしがみつき、自分が生まれた事の讃美歌を謳う蝉の合唱
芽吹く草花の育み、入道雲、乱気流…移り変わる激しい天候の表情
そんな、力強さを見せる季節がいよいよ過ぎ去ってしまう風情を容にする
線香花火のような一瞬の輝き
散りゆく花の命
歌い終え、一夏で永久の眠りつく蝉
そんな儚さを醸し出す曲調…
真姫は我ながら良いものができたと思うそれを書き記したページを開く
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