モバP「アイドルをオモチャにするクスリ 心・響子編」
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22: ◆FreegeF7ndth[saga]
2017/07/15(土) 18:14:52.20 ID:7VfU3ezmo


俺が五十嵐響子をアイドルとしてスカウトした理由を端的に述べるとすれば、
一言「見知らぬ人に自然といい挨拶ができるから」で済ませることができる。



実際、俺が響子を意識したきっかけは、鳥取に出張していたある朝、
道端で「おはようございます!」と元気よく響子に声をかけられたことである。

その姿が頭に残っていたままの数日後の別の朝、重そうなゴミ袋を引きずっていた響子を見つけ、
チャンスだと思った俺はゴミ捨てを手伝った勢いで響子をスカウトした。



心と違って、響子は俺がスカウトしなかったとしても、いつか必ず誰かがスカウトした人材だ。
芸能界にちょっとでも心得のある人間であれば、
これで響子がきわめてアイドルに向いている、とわかる。



この話を上京したばかりの響子にしたとき、響子は冗談だと思ったのか苦笑いした。

そんな響子を、俺はプロダクションのエントランスに連れていき、
来客者や軽い打ち合わせのための椅子に響子を座らせ、受付を眺めているよう指示した。

受付では、受付嬢が座っているとなりで、
響子より少し年上の先輩アイドル――担当外だったし、もう引退したので名前は伏せる――が立っていて、
目の前を来客者が通るたびに「おはようございます」と頭を下げて挨拶していた。



『あの人を見ていればいいんですか? でもプロデューサーさん、あの人は何をして……?』

俺は響子に、

『彼女がああしている理由が分かったら……
 あるいは、どうしても理由が分からなかったら、俺のデスクに戻って来るんだ』

と言い置いて、書類仕事に戻った。



2時間ぐらい経った頃、内線が鳴って、
件の先輩アイドルのプロデューサーから、『頼むから挨拶の邪魔をしないでくれ』と連絡があった。

エントランスに行くと、響子は先輩アイドルと並んで「おはようございます!」と挨拶をしていた。
俺は先輩アイドルに一言謝って――彼女の表情は泣きだす寸前に見えた――響子を連れ出した。

『えっ、ぷっプロデューサーさん!? もしかして私、余計なことしちゃいましたか……?』

俺が響子に『理由はわかったか?』と聞くと、響子は

『そ、その……私、どうしても理由が分からなくて、同じことをすれば理由が分かるんじゃないか、
 って思って一緒に挨拶していたんですけど……ごめんなさい、分かりません……』

と返してきた。



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