【ヤマノススメ】ほのか「花畑と妖精さん」
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8: ◆JdP.BncS3o
2017/07/20(木) 19:03:13.58 ID:tOIXXBPCo
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7合目 秘密
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ふとついて出た自分の言葉に、一瞬遅れて全身から冷や汗が流れ落ちる。
さすがにここなちゃんも服を胸の前で握りしめてゆっくりと後ずさりしている。


「わぁ…そこまでして連れ出したいなんて……どうしよう、ほのかさんがこんな人だったとは思いませんでした」


だから連れ出したいわけじゃないのだけど、どうやって説明したらいいのか……


「違う。誤解。撮影とか関係なく、ここなちゃんのことが好き……」

「ええ……本当に?」


私はただ頷いた。


「わかりました……それじゃ、キスしてください。本当に私のこと好きならできますよね」

「うん……」


手を握ると、彼女は少し体を竦めて私を見つめていた。

キス……はじめてだけど、ちゃんとできるかな……
そんな不安もあったものの、気づけば自然と唇を重ねていた。
本当に、これでわかってくれるのか、不安だらけだけど、もうここまできたらなるようにしかならないと気づいた。

そっと唇を離す。
現実感のない感触だったような、案外なんでもないような、そんななんともいえない感情と感覚が入り混じる。

キスのあと彼女は軽く頭を下げた。


「ごめんなさい。実はほのかさんの気持ちにはもう気づいてました。ついからかっちゃいました」

「ひどい……って……今キスしたのも……?」

「うふふ。私だって、好きでもない人にあんなこといいませんよ」

「……え?」

「私もほのかさんのこと好きですよ。本当におつきあいしてくれますか?」

「うん……ここなちゃん、あらためてよろしく」

「それじゃおわびに、ほのかさんの大好きな露出プレイしましょうか」

「別に大好きなわけじゃ……まあいいか」


本来ならこんな危険な行為は止めるべきなのだろうけど、存外に私の理性はもろいものだった。
ここなちゃんの手をつないで、急かされるようにしながら外に出る。

私はまるでいたずらをする子供のように、心の片隅に不安を抱えおびえていた。
一方で、こんなに開けた場所で何ひとつ身体を隠せるものもないここなちゃんといえば、不安なんて微塵にも感じさせない笑顔で両手を天にかかげ伸びをしている。
なんであんなに堂々としていられるんだろう。


「それじゃ……撮るけど、いい?」

「はい!」


ここなちゃんには花畑の前に立ってもらい、少し離れて片膝を立てて座りカメラを構えた。
それはまるで咲き乱れる白い花にはしゃぐ妖精のよう。
私は段々と周囲を気にすることもなくなり夢中になってシャッターを切り続けた。


「さっそく二人だけの秘密できちゃいました」

「うん……」

ここなちゃんとの秘密。それだけでなんだかワクワクしてきた。


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