【がっこうぐらし】安価ぐらしDAY1【生き延びよう!】
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◆JIAuvu1PvIJ6
[saga]
2017/08/18(金) 18:03:13.95 ID:nqQqrlXf0
【貰う】
アリス「頂くわ」
ここで断るとトマトが嫌い。なんていうわけの分からない噂が流れる……?
いや、若狭悠里がそんなわけの分からない噂を流すとは思えない
だけど、購買部からの物資収集や休憩室への立ち入りが出来たことで蓄えが十分とはいえ
態々自分が育てていたトマトを差し出したのだ。そこには理由があるだろう
受け取ったトマトの色味は綺麗な赤色で、
握ると微かに指が沈み込むけれど、反発するようなしっかりとした身持ちをしてて
重過ぎない、軽すぎない、実と水分がしっかりと含まれた重み
アリス「…………」
汚れを洗い流した水の艶が残る部分を一口齧る
じわじわと広がっていく酸味は市販していたものよりも少し強く
対して甘みが強いわけではないために酸っぱさが勝る素人感
けれども採れたてのみずみずしさがあった
頑張って育てたことを示すように、容易く噛み砕かれながらも
しっかりとした食感を感じさせる
決して手放しで美味しいとはいえないと思う
けれど”不味い”の一言は出てこないだろうとは感じた
悠里「どう……ですか?」
アリス「トマトね」
もう一口齧って、もう一口齧って、ヘタを残して完食する
アリス「ただのトマトよ」
悠里「…………」
若狭悠里は大きなリアクションも無く私の手を見て
ただ、完食に至ったことのみを受け取ったのだろう
嬉しさ半ばな笑みを浮かべて、「良かったです」と、呟く
アリス「問題なくトマトだといえる出来だった」
悠里「え?」
アリス「美味しいとは、言ってあげられないけれど」
勘違いされたままなのは何かが違う
そんな気がして言葉の意味を並び立てる
途端に、鼻先にポツリと滴るものを感じて空を見る
酷く汚れた曇天から、次から次へと雫が落ち始めて
――本降りが始まったのは、私達が3階まで降りてからだった
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