イタリア百合提督(その2)「タラントに二輪の百合の花」
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65: ◆b0M46H9tf98h[saga]
2018/02/07(水) 02:23:55.34 ID:fQ2G4qtM0
…昼食時…

提督「これも信じて頂けませんか…」

クィーン「ええ、証拠にはなりませんね」どうやら提督に議論を吹っ掛けるのを楽しんでいるらしいクィーン…と、そこにティーセットが運ばれてきた…

改バーミンガム級「陛下…お茶の時間です」

クィーン「おや、もうそんな時間ですか…よかったらご一緒にいかが?」

提督「はい、ありがとうございます」(イギリスのお茶は美味しいし、きっとこれなら…)

クィーン「さぁ、スコーンをどうぞ?」

提督「いただきます…んむ……んむ…」朝食よりはずっと美味しいスコーンではあったが、どういう訳か入っているドライフルーツにシナモンが効きすぎていて、提督の好みではなかった…痛みかけているらしく多少酸っぱいクローテッド・クリームをつけてどうにか口に入れる提督…

G級「給仕をします……どう、英国の味は?」小声で聞いてくるG級…

提督「世界で一番薄い本の題名が「英国の美味しい料理」なのがよく分かったわ……」

G級「さすが無知なイタ公ね。衛生って言うものを知らないのかしら?…生焼けや生煮えは食中毒の危険があるからよくないのよ?」

提督「…だからって焦げるまで焼く必要はないでしょう?」

G級「ふん、まぁいいわ…しばらくはごちそうを出すんだからクィーンに感謝して欲しいわね」

提督「ごちそうねぇ……何だか不安でしかないわ…」

改バーミンガム級「…ところで、紅茶の味はいかがですか?」

提督「ええ、美味しいです…ダージリンですね?」

改バーミンガム級「いかにも。勝利の味とダージリンの香り……まさに紳士の特権ですからね」真っ白な髪をいじくりつつ、ちょっと高慢な表情を浮かべた…

提督「なるほど…ごちそうにあずかり感謝しています」そう言って湿っぽいきゅうりのサンドウィッチをぱくついた…海水のせいで今一つの食感になっているが、味の方はほどほどに塩気が効いている…

クィーン「ふふ、朝はあまり食べられなかったようですからティータイムがあってよかったでしょう…ですがせっかく来ていただいたのですから、伝統あるイギリスの晩餐に期待していて下さいね?」

提督「ええ、楽しみです……はぁ…」


………

…夕食時…

提督「…見事な装飾ですね」

クィーン「お気に召しました?」


…大広間にはしまってあったらしい銀の燭台や拾い物らしいキャンプ用のランタン、古い木箱を薪に使った暖炉の火が揺らめいて、そこに白や灰色、淡い緑色の地中海仕様の迷彩になった服(甲殻?)をまとった深海棲艦たちがずらりと居並んでいる……クィーンの脇にはもう一人、昼には見かけなかった大柄で高貴そうな深海棲艦が座り、じっと提督を眺めている……岩壁には「ホワイト・エンサイン」(イギリス海軍旗)が掲げられ、きらきらと銀の食器が火に照らされて輝いている…


クィーン「…さぁ、どうぞ」

提督「感謝します……」どこかから手に入れてきたらしい古めかしい白いドレスを着せられ、多少カビ臭い白手袋をつけている提督…食卓につくと目の前に埃をかぶったワインの瓶が置かれ、切子細工のワイングラスに注がれると、年代ものらしい見事な紅色をしたワインが香りを放った…

クィーン「それでは、わが方の勇敢なる「T」級潜水艦、「トーベイ」「タリスマン」がお連れしたイタリア王国海軍のアドミラル…カンピオーニ少将に乾杯いたしましょう……彼女は燃料不足の中、劣勢のイタリア艦隊をもってよく戦いました…今や囚われの身となりましたが、その戦いぶりに惜しみない称賛を与えようではありませんか…それでは、乾杯♪」

深海棲艦たち「「乾杯…!」」

提督「…感謝いたします、クィーン」

クィーン「いいえ。破れた敵とはいえ敬意を表すべきところには称賛を惜しまない…それがロイアル・ネイビー(英国海軍)のやり方ですので……さぁ、うんと召し上がれ」給仕係らしい駆逐艦クラスの深海棲艦が次々と皿の蓋を開ける…

提督「………」深海棲艦の提供するイギリス料理とはいえ、「ごちそう」と聞いて多少は期待していた提督…が、目の前にある料理は見た目からしてかなり衝撃的だった……

提督「これは…その……」

クィーン「イール(ウナギ)のゼリー寄せですね…お取りしましょうか?」灰色のぶるぶるしたゼラチンの塊の中に、ぶつ切りのウナギが散らばっている…

提督「いえ…別のものにさせていただきます……これは…」やはり灰色で、ふくれた風船のようなものを凝視している……

軽巡らしい深海棲艦「こいつはハギスだ…スコッツ(スコットランド人)がよだれをたらす料理さ……食うか?」…牛の胃袋に細切れの臓物やひき肉を詰めて茹でた料理…と聞いていた提督は現物を見てさらに食欲をなくした……隣には固いパンかタルトの底だけを焼いたような「ヨークシャー・プディング」が山ほど置いてある…

クィーン「何か取って差し上げましょうか…?」

提督「え、えぇと……」






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